休業中の百貨店は徐々に営業再開しているが、厳重な感染防止策が取られている(時事通信フォト)

休業中の百貨店は徐々に営業再開しているが、厳重な感染防止策が取られている(時事通信フォト)

 レナウンのように600億円規模の会社だと、ネット通販の売上高が月々1億円程度では支えられず、経営破綻してしまう。業界内では「コロナショックはむしろ大きい会社のほうが厳しい」という指摘も見受けられます。

 確かに企業規模が大きいほうが方向転換はしにくいのですが、資金に余力があるなら大手のほうが耐久力はあるはずです。却ってメルベイユアッシュのように資金に余力のない小規模ブランドのほうが持ちこたえられないのです。

 5月14日からようやく39県で非常事態宣言が解除となることが決まりました。まだ東京都や大阪府が残っていますが、こちらも新規感染者数が一桁台にまで減ってきているので近々解除が決定しそうです。

 これによって百貨店や商業施設、都心店などの営業が再開されます。しかし、3月の営業短縮を皮切りに4月、5月とほぼ2か月近く店舗が休業していたことによって、各アパレルは売上高が大幅に減っているだけでなく、在庫が消化されずに過剰な状態となっています。

 さらに、営業再開後の売れ行きもすぐに元通りといかない企業も多いでしょうから、このままでは6月以降、企業の大小にかかわらず、もともと資金に余裕のないアパレル企業はさらに経営破綻に追い込まれ姿を消すのは確実でしょう。

 レナウンのほかにも、百貨店を主な販売拠点としていた老舗アパレルメーカーは多くあります。そうした企業は、早急に出店戦略の見直しやネット販売の強化、在庫圧縮や所有ブランドの取捨選択など“延命策”を取る必要があるでしょう。

 さもなければ、いつ「第2、第3のレナウン」が出てもまったく不思議ではない状況といえます。

百貨店に販売依存していたアパレルは4月、5月の売り上げが壊滅状態に(時事通信フォト)

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