ライフ

尾木ママから子ども達へ「コロナ後、不登校の概念なくなる」

尾木ママが伝える言葉とは

 新型コロナウイルス感染防止のため、多くの学校が長期休校となり、子どもたちも大きな不安を抱えていることだろう。そこで、教育評論家・尾木直樹氏(73才)が、子どもたちにメッセージを送る。

【プロフィール】
滋賀生まれ。法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。中高大学で合計44年間教壇に立ち、子どもを主役としたユニークな教育実践を展開。「尾木ママ」の愛称で活躍。近著に『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(小学館新書)。

 * * *
 ストレスをためるな。不安にならないで。こんなことを言うつもりは一切ありません。そんなこと、私たち大人だって無理なんですから。誰もが初めての経験です。だからみんな困っているんです。

 困るとどうなるか。必ずしわ寄せは「弱者」にいきます。

 厚生労働省が1月から3月の児童相談所で虐待として対応した件数を発表したけれど、案の定、数字が伸びていました。1月は前年比22%増し、2、3月は1割増し。4月はもっと増えるんじゃないかと、本当に心配しています。

 徐々に再開する学校も増えてきていますが、元通りではありません。

 学校は、勉強の遅れを取り戻そうと、あなたたちに復習だけでなく、予習を強いているでしょう。課題や宿題の提出が多くて困っている、評価や6月の試験はやめて、という声も届いています。

 だけど、わからなくても大丈夫。これからいくらでも取り戻すことはできます。いまできないからといって、自分を追い詰めないでください。

 先日、お笑い芸人のパックンさん(パトリック・ハーラン)とお話しする機会があったのですが、「実はぼく、幼稚園を留年してるんです」だって。でも、そこでゆっくり成長できたことが逆によかったと言っていました。彼はハーバード大学の出身ですが、遠回りは無駄じゃなかったんですね。

 いま大切なのは、勉強よりも自分の心の中にモヤモヤをためこまないこと。もし先生と話す機会があったら、なんでもいいから、あなたの気持ちを話してみて。先生だって、あなたたちの声が聞きたいんです。あなたが何に困っているか、知りたがっている。

 いまニュースで「オンライン飲み会」って話題になってるでしょ? パソコンやスマホを使って、同じ時間に顔を見ながら話したり、お酒を飲んだり。

 これ、あなたたちもやってみたら? 名付けて「オンラインおしゃべり会」。時間を決めて友達と集まって、愚痴をこぼし合うの。

「お前んとこ、どう? うちは親がうるさくてさ」
「うちはもっとひどいよ。両親がけんかしてばかりで」

 こんな愚痴でいいんです。「オンラインおしゃべり会」ができないなら、LINEだっていいし、電話で話してみるのもいい。どんな些細なことでも、口に出し合って、その思いを共有すれば、心は少しは楽になります。

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト