「桜井さんは立憲と肌が合わず、自民党に行きたがっていた。官邸サイドの仕掛けだろうが、まさか検察庁法改正で国民の批判が高まっているタイミングで自民への移籍を表明するとは」
安倍官邸は、自民党に造反の気配があるなら野党を切り崩せばいいとカウンターを浴びせたのだ。自民党長老の山崎拓・元副総裁が語る。
「現下の情勢では新型コロナ関連を国会で優先しなければならないが、だからといってその他の法案の議論で時間がないからと丁寧な説明をしなかったり、強行的な議事を進めるべきでない。検察庁法改正も説明や議論が足りないから世論の批判を浴びた。
国会でこうしたことが起きている背景の一つには、野党が弱いこともある。新型コロナという緊急事態で、野党に抵抗力がない。だから与党は強引な国会運営に走る。しかし、そうした傲りを国民はしっかり見ていることに気づくべきでしょう」
与野党ともに、政党政治の“ソーシャルディスタンス”を見失っている。
※週刊ポスト2020年6月5日号