芸能

日本の歌謡界を席巻した「昭和54年のゴダイゴ旋風」

 昭和54年のゴダイゴ旋風は、芸能史の中でも特筆すべきものがある。『ザ・ベストテン』12年分の年間ランクイン回数を算出し、順位を出してみよう(『』内は、該当年の主な曲)。

●『ザ・ベストテン』年間ランクイン回数と主な曲
【1位】53回 近藤真彦(昭和57年) 『ハイティーン・ブギ』『ふられてBANZAI』他
【2位】52回 ゴダイゴ(昭和54年) 『ガンダーラ』『モンキー・マジック』他
【3位】49回 沢田研二(昭和53年) 『ダーリング』『サムライ』他

 ランキング発表週数は年によって若干異なるため、年間のランクイン確率(回数÷週数)を計算すると、こんな結果になる(小数点2位以下、同率の場合は3位以下を四捨五入)。

●『ザ・ベストテン』年間ランクイン確率(回数÷週数)と主な曲
【1位】101.96% ゴダイゴ 51週中52回(昭和54年) 『ガンダーラ』『モンキー・マジック』他
【2位】101.92% 近藤真彦 52週中53回(昭和57年) 『ハイティーン・ブギ』『ふられてBANZAI』他
【3位】100% Wink 39週中39回(平成元年) 『愛が止まらない』『淋しい熱帯魚』他
【4位】98% 沢田研二 50週中49回(昭和53年) 『ダーリング』『サムライ』他
【5位】94.1% 近藤真彦 51週中48回(昭和56年) 『ギンギラギンにさりげなく』『スニーカーぶる~す』他
【6位】94% ピンク・レディー 50週中47回(昭和53年) 『UFO』『サウスポー』他
【7位】90.4% チェッカーズ 52週中47回(昭和59年) 『涙のリクエスト』『星屑のステージ』他
【8位タイ】90% 西城秀樹 50週中45回(昭和53年) 『ブルースカイブルー』『ブーツをぬいで朝食を』他
【8位タイ】90% 山口百恵 50週中45回(昭和53年) 『プレイバックPart2』『絶体絶命』他
【10位】88.5% 松田聖子 52週中46回(昭和58年) 『瞳はダイアモンド』『秘密の花園』他

 番組は平成元年9月に終了したため、この年のランキング発表は39週。そのため、39回ランクインしたWinkが3位に登場する。100%を超えたのは、昭和54年のゴダイゴと昭和57年の近藤真彦の2組しかいない。今年5月、ゴダイゴのギタリスト・浅野孝已さんが亡くなったばかりだが、偉大な記録は、何年経っても輝き続けるだろう。

■文/岡野誠:ライター。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記』(青弓社)では『ザ・ベストテン』の章も設け、巻末資料で公式本にもない年別ランキングデータを収録。6月7日、元CHA-CHA木野正人と配信イベント〈『ザ・ベストテン』と昭和ポップスの世界〉を開催(10日までアーカイブ配信。詳細はロフトプラスワンWESTのホームページにて)。

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