芸能

日本の歌謡界を席巻した「昭和54年のゴダイゴ旋風」

ゴダイゴはいかにして日本の歌謡界を席巻したのか(1999年の再結成時。時事通信フォト)

 昭和の人気音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)の再放送が、6月20日からCS・TBSチャンネル2で始まる。1回目は昭和55年12月25日放送分と発表された。この年、田原俊彦や松田聖子が台頭。アイドル黄金時代の幕開けとなった。その前年はニューミュージック全盛期であり、昭和50年結成のゴダイゴが突如大ブレイクを果たした。『ザ・ベストテン』(TBS系)に詳しいライターの岡野誠氏が“昭和54年のゴダイゴ”を振り返る。

 * * *
〈これがうまくいかなかったら解散しようと思ってました〉(平成17年12月8日・スポーツ報知)

 ゴダイゴは昭和51年のデビューシングルから英語詞にこだわっていたが、売上は低迷。1枚目の『僕のサラダガール』はオリコン37位になったが、それ以降は100位以内に入れなかった。昭和53年、ドラマ『西遊記』(日本テレビ系)の主題歌の依頼が舞い込む。冒頭の決意を滲ませていたタケカワユキヒデは、『ガンダーラ』でヒットを狙いに行った。

〈曲は雄大な砂漠をイメージしました。最初はサビの部分をマイナー(短調)に、残りはメジャー(長調)にしたが、プロデューサーから「全部マイナーに」と言われた。2、3回書き直したかな。「ああ、歌謡曲になっちゃう」とも思ったけれど、抵抗はしなかった。英語と日本語の歌詞を作ったけど、「シングルは日本語で歌うよ」って受け入れた〉(平成25年5月15日付・朝日新聞)

 アメリカのバークリー音楽大学出身のミッキー吉野は編曲する時、細部にこだわった。

〈ヒットソングのデータ/黄金律を全部集約させて「ガンダーラ」に注ぎ込みました。テンポや間奏の長さもアルバムとシングルは少し変えました。歌が始まる直前のスネアの叩き方まで指示するわけだから少し異常でしょ〉(平成27年10月発行『ミッキー吉野の人生(たび)の友だち』・シンコーミュージック)

 ミッキー吉野は発売時期やプロモーションも綿密に練り、曲が売れているうちに新譜を出した。昭和53年10月1日に『ガンダーラ』を発売した後、同年のクリスマスに『モンキー・マジック』をリリース。この作戦が的中して『ザ・ベストテン』で2月15日から4月5日まで8週連続で2曲同時ランクインし、“ゴダイゴ旋風”が巻き起こった。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン