その後も、4月1日『ビューティフル・ネーム』、6月1日『はるかな旅へ』、7月1日『銀河鉄道999』、10月1日『ホーリー&ブライト』と立て続けにシングルを切った。いずれも、まだ同番組で他の曲がランクインしている時に“二の矢”を放ったのだ。
アルバム『OUR DECADE』からのシングルカットである『はるかな旅へ』は圏外だったが、それ以外の3曲はいずれもベストテンに入り、『銀河鉄道999』は7週連続1位に輝いた。『ザ・ベストテン』の昭和54年のランクイン回数を算出してみると、“ゴダイゴの歌謡界席巻”が明確になる(1週2曲入れば、2カウント)。
●昭和54年の『ザ・ベストテン』ランクイン回数と主な曲
【1位】52回 ゴダイゴ 『ガンダーラ』『モンキー・マジック』他
【2位タイ】42回 山口百恵 『いい日旅立ち』『美・サイレント』他
【2位タイ】42回 西城秀樹 『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』『勇気があれば』他
【4位】35回 サザンオールスターズ 『いとしのエリー』『C調言葉に御用心』他
【5位】33回 ツイスト 『燃えろいい女』『性(サガ)』他
【6位】26回 さだまさし 『関白宣言』『天までとどけ』他
【7位】24回 ピンク・レディー 『カメレオン・アーミー『ジパング』他
【8位】21回 沢田研二 『カサブランカ・ダンディ』『OH!ギャル』
【9位】20回 アリス 『チャンピオン』『夢去りし街角』他
【10位】19回 郷ひろみ 『マイレディー』『いつも心に太陽を』他
2位の山口百恵、西城秀樹を10回も引き離し、ゴダイゴが1位を獲得。51週で52回もランクインしている。『ザ・ベストテン』はレコード売上、ハガキリクエスト、ラジオチャート、有線放送を集計し、順位を決定する。1部門だけでなく、4部門で上位に残らなければランクインできない。ハードルの高い“総合チャート”を制した価値は高い。
『ザ・ベストテン』は昭和53年11月16日に初めて視聴率30%を超え、翌年は51週中28週も30%台を記録する。世の必然として、大衆性を帯びると反発する層も出てくる。この頃、ランキングされても出演しない歌手が話題になった。しかし、ゴダイゴはその立場を取らなかった。
〈当時はフォーク系の人たちがテレビに絶対出ないっていうのがあったから、逆をいかなければいけない、ボクらは出てやろうって、1本でも多く出てやろうって思いました〉(前掲『ミッキー吉野の人生(たび)の友だち』)
『ガンダーラ』のレコードジャケットでは、メンバーがドラマ『西遊記』のキャラクターに扮し、テレビでも同じ格好で歌うなどメディア戦略を徹底し、大ヒットに結び付けた。