免疫で通すか通さないかを決めるようになるかもしれない(写真/共同通信社)

「免疫パスポートとは、新型コロナに感染して免疫ができたことを証明する書類やパスのことです。経済活動を安全に再開するため、抗体検査をしてウイルス感染がわかった人に免疫パスポートを与えて、就労や移動の自由を認める動きが各国で出ています」(全国紙科学部記者)

 免疫パスポートの導入に前向きになる国がある一方で、慎重論もある。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが指摘する。

「ウイルスに感染してできるのはウイルスを撃退する『中和抗体』だけでなく、ウイルスを攻撃しない抗体や、免疫システムが暴走して自分自身を攻撃する抗体もできます。中和抗体を正確に測定できれば免疫パスポートは社会を回すために大きな意味を持ちますが、現状の抗体検査では陽性になってもどの抗体なのか測定できないので、免疫パスポートの導入は時期尚早ではないでしょうか」

◆合理的な欧州では導入が進んでいる

 たしかに不安は残る。しかし、国や企業が、ワクチンが開発されるまで何年も待てるわけがないのも事実だ。経済活動を再開させない限り、どのみち、私たちの生活は破綻する。

 前出のRIZAPグループのように、活動再開のために「1つの方法」として抗体検査を採用する企業はほかにも出始めている。これから一層増えていけば、私たちもそうした企業のサービスを受けるために、抗体検査を無視はできなくなるはずだ。

 国と国との間の外交の場面でも、検査はすでに重要な指標になっている。

 現在、日本は水際対策として111か国・地域を入国拒否している。しかし、政府は出入国制限の緩和に向け、感染被害の少ないベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドの4か国と交渉に入る方針を固めた。

「それらの国と自由に行き来するために、『PCR検査で陰性が確認されていること』を条件にするつもりです。ただ、渡航のたびにPCR検査をタイムリーに受けられるとは限りません。もし相手国が求めるのであれば、抗体検査で抗体の保有が確認された人は、一定の期間は自由に出入国をすることを認めなくてはいけなくなるかもしれません」(外務省関係者)

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン