さらに、それを受けた菊池桃子さんが「今日は次男の浩二が一生懸命頑張って泣くシーンがあって非常に胸に響きました。裕一にもですが、浩二にもエールをお願いします」と続き、その後も窪田さんが佐久本さんに話を振るなど、唐沢さんの優しさが家族に浸透していたのです。父・唐沢さんの思いを母・菊地さんと長男・窪田さんがつなぎ、次男・佐久本さんが受け止める……という本物の家族を思わせる絆を見せて記者たちを感動させました。
朝ドラは次週から事実上のスピンオフ(オムニバス)に突入し、26日の放送で中断が予定されるなど、「11週の放送で本編の前半終了」という感があります。その意味で唐沢さんは『エール』の前半を支えた立役者であり、三郎の包み込むような優しさは朝ドラ主人公の父親にふさわしいものでした。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。