副流煙によって肺胞が壊れるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)になる人も多い(写真/PIXTA)

 新型コロナが引き起こす肺炎では、この「免疫暴走(サイトカインストーム)」による重症化が指摘されている。

「ひどい場合は肺に深刻なダメージを与え、呼吸不全に陥らせることもある。幸いにして生還できた場合も後遺症が残り、肺にハチの巣状の穴があいていたという複数のケースがWHOに報告されています」(医療ジャーナリスト)

 海外では、さらに恐ろしい症例が挙げられている。

「欧米では、新型コロナに感染した子供の中に、発熱や発疹、腹痛などを患う川崎病に類似する症状になったとの報告が相次いでいます。川崎病は全身の血管に炎症を引き起こす疾患で、新型コロナが発症してから数週間後に重篤な症状が出ています。つまりウイルスが死んだ後に起こっており、ウイルス自体の攻撃ではなく、それと闘うための免疫が過剰反応して自らを傷つけていると考えられます」(上さん・以下同)

 ウイルスの攻撃だけでなく、自らを守るはずの免疫が牙をむくこともある。特に新型コロナについては未解明のことが多く、今後も注視が必要だ。一見、関係なさそうなことでも肺に異変が起きていることがある。その一因が心臓疾患だ。

「心臓のポンプ機能が低下し、血液を全身に送り出せなくなる病気である心不全になると、肺の間質に水がたまり、肺水腫という状態になることがあります。肺が水浸しになるわけで、やはり水に溺れているかのように呼吸が苦しくなり、非常につらい病気です」

 なかには「死ぬより苦しい」と形容した患者もいるというから恐怖に身も凍る。

※女性セブン2020年6月25日号

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