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2020.06.17 07:00  週刊ポスト

鎌田實氏 医療崩壊と介護崩壊を防ぐために必要なこととは

 大阪のリハビリ系病院では130人の陽性者が出た。ここでは感染が確認されている看護師を働かせたことで、さらに感染が拡大したと思われる。北海道の老人保健施設では100床のうち感染者は60人以上、11人が亡くなった。職員も20人以上感染した。それまでいた看護師はほぼ撤退。全国訪問ボランティアナースの会「キャンナス」が、看護師を派遣するなど態勢の立て直しをしているが、ひとたび施設で感染が起こるととても大変な状況が起こる。

 在宅ケアでも、新型コロナへの対応が迫られている。訪問診療を行なっている悠翔会では、都内23区の5000人の在宅患者さんを、40人の医師が24時間体制で診ている。佐々木淳理事長の話では、意思がはっきり示せる患者さんの99%は、もし新型コロナに感染しても、家にいることを希望しているという。

 在宅ケアを受けている患者さんは、がんの末期の人もいれば、パーキンソン病など難病をもっている人、認知症、寝たきりなどいろいろな人がいる。その人たちが、どんな状態になったときに入院するか、あるいは入院せずにずっと家にいるか、医師と話し合って自己決定するならば、それを実現する方法も作っていかなければならない。

 ぼく自身は、がんの末期などで在宅ケアを受けていたら、新型コロナで病院に行きたいとは思わない。アメリカの論文では、65歳以上の新型コロナ患者は人工呼吸器を装着しても、97%が亡くなっているという。

 これに対して、在宅ケアを行なっている医師の半数が、希望があれば在宅で新型コロナを診ると答えている。それには、医師や看護師が感染を防ぐこと、家族が感染しないことが重要になる。他の介護サービスはできるだけリモートにするなどの工夫も必要だ。課題はあるが不可能ではない。

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