国内

ヤクザの「当番レシピ」に絶対欠かせない味の決め手とは?

ヤクザの当番レシピでは「油うどん」も人気(写真はイメージ)

ヤクザの当番レシピでは「油うどん」も人気(写真はイメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回も前回に引き続き、ヤクザ業界の絶品レシピを披露。

 * * *
「俺の作ったメシが美味いからって、若いのが調味料を買ってきて自宅で料理し始めたよ」

 元組長はそう言いながら、嬉しそうに若い組員からLINEで送られてきた写真を見せてくれた。ラー油やごま油、創味シャンタン、七味唐辛子など中華料理に欠かせない調味料が写っているが、いったい彼は何を作ったのか?

「超簡単な当番レシピ、油うどんだ」

「油うどん」と聞いて、まず頭に浮かんだのは「油そば」。スープのないラーメンだ。こってりしたその味がやみつきになるらしく、都内某所の油そば専門店では緊急事態宣言前、昼時になるといつも店の前に長蛇の列ができていた。ネットに出ているレシピでは、茹でた中華麺にごま油や醤油、オイスターソースに麺つゆ、ラー油などを絡ませ、具には卵やチャーシュー、ネギなどを用意するとある。

 だが元組長が使う調味料はたった3つ。

「サラダ油に醤油、創味シャンタン。なければ、味覇(ウェイパー)。この万能調味料さえあれば、どんな料理も『何、これ!?』というぐらい本格的な味になる」

 用意する材料はうどん1玉、サラダ油大さじ1/2、創味シャンタン小さじ1、醤油少々。うどんを茹で、その間に用意した調味料を器に入れて軽くかき混ぜる。固形状の創味シャンタンは、きっちり溶かす必要なし。

「茹であがったうどんをよく湯切りして、用意しておいた器に入れ、調味料をざっと絡ませると、うどんの熱で創味シャンタンが溶け、いい具合にうどんに絡みつく。後はお好みで七味唐辛子かゆずこしょうを混ぜるだけ。これがめっちゃ美味いんだ」

「だまされたと思ってやってみな。この前、食べさせたやつは『これ、ヤバイですね』って。食べ終わったと思ったら『おかわりいいですか?』って、もう1玉、自分で茹でて美味そうに食べてたよ」

 組事務所では手軽で手早く作れ、腹持ちのいいメニューは重宝される。元組長のレシピでは、入れる油はごま油ではなくサラダ油。その方が味がくどくならず、スルッと食べやすいので好評だったのだという。

「これなら、うどんさえあればすぐ食える。材料費も3玉78円とかのうどんを買えば、一人前30円くらいのものさ」

 材料は近くのスーパーに買い出しに行く。美味くて安いのはいいが、彼が当番だった時、当時の組長もこれを食べたのだろうか?

「それはない。そりゃ、たまに組長が事務所に来て『いい匂いやな、今日はカレーか?』ってこともあれば、一緒に鍋を囲む時もあったけどね」

 組事務所の当番で作る食事は、事務所に出入りする組員たちや当番者のためのもの。基本的に組長のために作るものではない。そのため組長の口に合わなくても怒られることはなく、時にこんな簡単レシピが登場することもあるという。

 六代目山口組ともなれば神戸の本部に食堂があり、総本部の車両の誘導、出し入れの確認や警備、警戒を行う「ガレージ当番」として傘下組織から持ち回りで常駐する組員たちだけでなく、「プラチナ」と呼ばれる直参の幹部連やその付き人たちも利用するらしい。

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン