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学校再開の子供たちがぶつかる「ウィズコロナ」の生きづらさ

これまでと違う学校生活で大きなストレスを感じている子供は多い(写真/イメージ)

「学校再開が決まったときは“久しぶりに友達と会える”と楽しみにしていたんです。それが、帰宅するたび元気のない日が続いて…」

 東京都世田谷区在住で小学6年生の男児を持つ母親のAさんは、新型コロナウイルス感染防止のための休校が明けた次男の様子に戸惑いを隠せない。登校開始から1週間後、次男はついに「学校には行きたくない」と訴えた。

「休み時間に校庭に出られず、席を立ってもダメ。黙ってひとり本を読むしかないそうです。先生の指示通り感染防止策を守ろうと息子なりにがんばったようですが、まじめに言うことを聞けば聞くほど、追い詰められてしまった」(Aさん)

 極めつきは、区が導入した乳白色の卓上のパーテーションだ。この学校では授業中だろうと給食中だろうと、一日中、周囲との視界を遮られ、狭い部屋に閉じ込められているかのような錯覚に陥る。緊張と圧迫の中で一日を過ごしたら、大人でもキツい。

 大阪に住むBさんは、小5の息子が学校生活のストレスで荒れてきたと心配する。

「学校は好きだけど、いまの学校には行きたくないとストレスを感じているようで、妹に当たったり、乱暴な言葉遣いになったり。休校中はそんなこと一切なかったのに、思い切り校庭を走ったり、ふざけ合ったりもできないことに苛立ちが隠せないようです」(Bさん)

『不登校支援センター』東京支部のカウンセラー・羽根千裕さんは言う。

「これまでと違う学校生活で大きなストレスを感じている子供は少なくありません。課題の多さや、給食を無言で食べなければならないなど、子供たちにとっての学校で感じる理不尽さや先生や友人との関係がストレスの主な要因です。そうしたストレスから、最初は学校への行き渋りや宿題の提出がおろそかになったり、さらに腹痛や頭痛、夜眠れない、朝起きられないなどの症状が出てくる子が多いのです」

 この6月に同センターに寄せられた相談件数は約740件。決して少なくない。

「例年、相談が多いのは休暇が明けてから1か月後から1か月半後です。その時期と同じくらいの相談がすでに6月にありました。7月以降、さらに増えるのではないかと予想されます」(羽根さん)

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