スポーツ

飛沫は大丈夫? 静寂の球場に響く「白井球審のコール」

強烈なコールが売りの白井氏はどうなる(写真/共同通信社)

 観客5000人を上限とした試合が続くプロ野球。NPBや各球団・球場のガイドラインによって応援スタイルは制限され、応援歌合唱、鳴り物使用は禁止。大声での応援、ヤジなどの行為もNGとなっている。そんな静寂の球場で唯一、「大声を張り上げなくてはいけない」のが審判だ。

 甲子園球場ではスタンドから大声を上げるファンに対し、「声を張り上げての応援はご遠慮くださいませ」と注意の場内アナウンスが流れ、他球場でも観客からのヤジでバッターが苦笑いして打席を外すなど、大声を巡るアクシデントも起きている。プレーをする選手たちもベンチからの声出しを控えめにしており、選手がホームランを打ってもファインプレーをしても、スタンドに響くのは拍手とメガホンを叩く音だけだ。

 そうした新しい観戦様式の中で“存在感”を出しているのが審判である。ヤジを飛ばす観客を注意するのも審判の役割の一つとなっているが、球審は捕手の後方で球場内に響き渡る声で1球ごとにストライク、ボールのジャッジをしなければならない。アウト・セーフのコールが全選手に聞こえなければプレーに支障が出るため、塁審も声量控えめというわけにはいかない。

 そんな中で、ひときわ注目を浴びているのが、昨季までに出場試合数1340試合を誇る白井一行審判(42)だ。
 
 白井審判はNPB審判部関西支局所属で、2018年にはNPBアワーズで「審判員奨励賞」の表彰を受けている。壇上では「審判の中で最も声が大きい、若手審判員の模範となっている」との受賞理由が読み上げられた。

 本誌・週刊ポストの記者がスタンドで観戦した甲子園球場の阪神対DeNA戦(7月12日)では白井審判が球審を務めたが、ストライクが入ると少し間を置いて横を向き、「アアアアアアーーイイイ!!!」の甲高い声のコールが広い球場全体に響いていた。

 そんな白井審判の大声にネットでは「白井審判の大声は飛沫感染の一要因になるのでは??」「飛沫があーーい!言うて飛びよるでー」などの心配(?)の声が上がっている。

 選手交代時などに審判用防球マスクを取った際、白井球審の口元を見るとマスクをつけていない。飛沫が飛ぶリスクはないのか。在京の球団関係者が語る。

「実は防球マスクには口や鼻部分を覆って、飛沫を防止するシールドが装着されている。一般的な布マスクを付けないのは、息苦しくなるし、布越しでは声も響かないからです。

 審判のジャッジは外野手にも聞こえないといけないので大声を規制するわけにはいかない。それでもボール判定や空振り時には声を出さない、さらにストライク判定では正面に飛沫が打者や捕手に飛ばないよう、いったん横を向いてコールする球審が増えている」

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン