前述の斜めに顔を向けた「芸の道にゴールはない」「飛び石連休」ネタの際、もし公開収録で観客が沸けば、そのまま顎を引き、上目遣いの視線になってドヤ顔が完成した可能性は十分あっただろう。
つまり、好楽のドヤ顔は本人の意思だけでなく、セット、スタッフ、観客が一体となった時、初めて生まれるものなのだ。
我々は、もう4か月近くも好楽のドヤ顔を拝めていない。新型コロナウイルスの早期終息による『笑点』公開収録復活、そして好楽のドヤ顔披露を願ってやまない。
◆取材・文/岡野誠:ライター、笑点研究家、松木安太郎研究家。NEWSポストセブン掲載の〈検証 松木安太郎氏「いいボールだ!」は本当にいいボールか?〉(2019年2月)が第26回『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。本人や関係者への取材、膨大な一次資料、視聴率などを用い、好楽ドヤ顔研究以上に丹念な考察をした著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記』(青弓社)が話題に。