北条鉄道の12月恒例、サンタ列車(時事通信フォト)

北条鉄道の12月恒例、サンタ列車(時事通信フォト)

 北条鉄道は一両編成で運行されている。新ダイヤでは、最低でも2両の列車が必要になる。現在、北条鉄道は列車を3両保有している。仮に1両が故障しても、2両でのぼりとくだりを運行できる。ダイヤに支障をきたすことはない。

「現行の3台体制でも新ダイヤでの運行に支障は生じませんが、行き違い設備が完成したことを受けて列車増発できるようになりましたから、列車をもう一台増やす予定にしています。とはいっても、車両を新造できる財政的な余裕はありません。どこかの鉄道会社で廃車になった列車を譲渡してもらおうと交渉しています。すでに目星はついていますが、きちんとした予定は決まっていません。できるだけ早く、4両目の列車を導入したいと考えています」(同)

 導入を予定している4両目の列車の購入費用は、加西市のふるさと納税を充てることになっている。こちらは企業版ふるさと納税ではなく、通常のふるさと納税を活用するという。こうした財政支援を見ても、加西市にとって北条鉄道はなくてはならない鉄道だということを感じさせる。

 しかし、そこまで北条鉄道に傾注しても、需要があるのは朝夕の時間帯のみ。9月1日のダイヤ改正以降も昼間の運転本数に大きな変化はない。

「現在も北条鉄道では地元の菓子メーカーである丸中製菓とコラボしたイベント列車を運行していますが、ダイヤの余裕ができたので昼間帯に観光列車を運行する計画を検討しています」(同)

 沿線人口の減少をはじめ、一人一台といった具合にマイカー所有率の高い地方都市では鉄道はどうしても苦戦を強いられる。それは北条鉄道が走る加西市でも同じだ。行き違い設備をつくり、運転本数が増やせるようになったからといって楽観視できる状況にはない。

 それでも、行政・鉄道会社・沿線住民の3者が力を合わせたことで、地方のローカル線に新たな可能性が拓きつつある。

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