本書には5人の女優と、男優一人が登場する。まずは小学生の頃からモデルとして活躍し、「牛乳に相談だ」のCMでブレイク後に休業、若くして家庭に入った白石茉莉奈氏。その後〈人妻でママのAV女優〉としてAVデビューを果たし、回転の早いこの業界で既に7年のキャリアを持つ。だが、海外赴任中の夫は今もって彼女のAV出演を知らないというから驚きだ。
「もしかしたらプロフィール設定かもしれませんけどね。ただ家族に〈バレる前に辞めよう〉と思って活動を始めた方は実際多いです。でも白石さんは親兄弟には即刻バレ、ご主人と息子さんにバレるのも時間の問題だろうとのことでした。そのバレた時の対応がまた人それぞれなのですが、基本的には出演理由をきちんと自分で説明し、周囲の理解を得ようとする意志の強い方がほとんどでした。
一方家族の反応も色々で、強い拒絶反応を示すのは母親に多く、父親の方がまだ理解があったりする。たぶんAVがどんなものか知ってるからかもしれません」
一方、新人女優の優月心菜氏の場合は出演経緯といい複雑な家庭環境といい、壮絶を極める。元々は世田谷の裕福な家に育ったが、小4の時に両親が離婚。ガスや水道が頻繁に止まる家に鬱状態の母や祖父母と住み、経済難から高校も5年がかりで卒業。
その後も自称プロデューサーに騙され暴力をふるわれたり、ホストにハマり風俗で働いた稼ぎを全て貢いだりと、苦労の絶えぬ日々が続く。そして疲れ果てた中でAV女優の面接を受け、転身する。今では〈人に頼らず生きていけるようになった〉とその決断を喜び、家族とも関係を修復しつつあるという。