◆31歳は貯金よりも、今の生活を楽しみたい
「彼は、自分のお金を好きなように使って何が悪いの? という感じでした。貯金よりも、今の生活を楽しみたいと楽観的で。まだ若いというのもあると思いますが」
とはいえ、共働きが増えているこの時代、夏妃さんだって働いている。相手の貯金が、しかも結婚前に、それほど気になるのだろうか。
「私はコロナで仕事が激減しました。働くのは好きだけど、安定した仕事ではないから、相手には安定や生活力を求めてきたんです。会社員の彼は、とくにコロナの影響は受けていないようで、それは良いことだと思うんですね。ただ、私は大変な人をたくさん見ているので、どこ吹く風の彼に対して、“みんな大変なんだよ!”と言いたくなってしまう。で、いくら稼いでいるかより、お金の使い方のほうが大事なんじゃないかと思うようになってきました。そこに人間の本質が出るような気がして」
コロナ禍が、はからずも二人の金銭感覚の違いを明らかにしたようだ。結婚したら、あるいは子供ができたら、彼氏の金銭感覚は変わるかもしれない。が、変わらないかもしれない。結婚は生活だと考える夏妃さんは、もう一度話し合って、今後を決めようと考えているという。
年収よりも貯金、年収よりもお金の使い方。婚活女性たちの本音は現実的であり、時にそれは、年収を求める上にシビアな要求となるのかもしれない。かくして2人の婚活は続いている。
(本文中の名前はすべて仮名です)