志村けんさんは、3月、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎により入院先の病院で亡くなった(時事通信フォト)

志村けんさんは、3月、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎により入院先の病院で亡くなった(時事通信フォト)

「志村(けん)とか岡江久美子とかコロナで死んだ芸能人の伸びはよかった。コロナと関係ないけどテラスハウスの女子プロレスラーも。ああいう人たちが死んじゃうと美味しいです」

 美味しいとはどういうことか。私は内心おだやかではなかった。5月23日にお亡くなりになった木村花選手(レスラーとして敬称は選手とする)はスターダムの若手実力派だったが、ルックスでも人気となり、フジテレビの『テラスハウス』にレギュラー出演していた矢先、まだ22歳の若さで亡くなられた。私はお母様の木村響子選手に昔お会いしたことがある。女子プロレス団体のJWPに参戦していた時代の話でもう20年近く前だ。娘さんもプロレスラーになったということで、時が経つのも早いと思ったものだ。そして親子揃って、視聴者の一部からTwitterを中心に誹謗中傷を受けていた。それは「ネットの一部」などと書けないほどの数と、常軌を逸した内容だった。

「そういうネットの炎上案件も人気なんです。それを探し出してまとめて面白おかしく記事にする。とくにTwitterはバカの宝庫です」

たくさんの炎上用サブアカウントを使う

 面白おかしいのか。Twitterがかつて「バカッター」と呼ばれ、多くの事件を引き起こしたことは記憶に新しい。そのたびに発信者とその仲間は身元をさらされ、叩かれた。多くは本人が先に悪いことをしたことが発端だが、あまりに社会的な騒ぎとなり、またその行為がリアル人生に影響を与えることが存分に知れ渡った今、かつてのようなわかりやすいバカッターは減ったそうだ。私もいまさらそんなネタでは動かない。しかし小島さんは違う、なんとまとめサイト側から炎上案件を仕掛けるという。そのツールもかつては某匿名掲示板が中心だったが、現在の主力はTwitterだ。

「たくさんの炎上用のサブアカウントを使います。一般人もクソリプ用とか攻撃用って使い分けるんですけど、そんな感じでネタになりそうな、金になりそうな炎上キャラに絡みます。もしくは嘘八百をツイートします。なるべくリツイートしてもらえるような、食いつくようなやつをね」

 小島さん以外にも炎上させよう、デマを流そうというアカウントは大量に存在する。人気のキーワードでタイムラインを追ってみれば、数分単位でそんなツイートがひたすらあちこちから流れてくるのが現状だ。あれも商売なのか。

「いや、ほとんどはその辺の愉快犯ですよ。金になんなくてもやってる奴なんてそれこそいっぱいいます。あとはアンチ、大半はそれですね」

 そういう愉快犯は1980年代後半から1990年代前半にかけて、パソコン通信のBBS(インターネットの掲示板のようなもの)あたりにも少なからずいた。もちろん私はそんなありきたりのネタをいまさら聞きたいわけじゃない。もしや、木村花さんの件も、小島さんが追い詰めた一人なのでは。なぜなら小島さんのまとめサイトには木村さんの性格、嫌い、無理などの言葉が並ぶまとめ記事があったからだ。小島さんの顔が心なしかこわばって見えた。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン