自民党デジタル社会推進特別委員会のインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷・人権侵害に関する議題で講師を務め、報道陣の取材に応じる木村花さんの母・響子さん(左から2人目)(時事通信フォト)

自民党デジタル社会推進特別委員会のインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷・人権侵害に関する議題で講師を務め、報道陣の取材に応じる木村花さんの母・響子さん(左から2人目)(時事通信フォト)

「私はまとめただけですし、外注ライターが見つけて来たネタです。ライターが木村さんに悪意のあるリプを飛ばしてたとしても、私は命令してません」

 語気も少し強い。かつて、某キュレーションサイトが命にかかわる医学関係のデマをまとめて大問題になり、一斉に閉鎖した事件があった。残党の一部は大金を手にしていまもシンガポールを中心に暗躍している。そのトカゲの尻尾の中には大手を振って日本で活動している者もいる。時が経つのは早い。ライターが勝手にやったこと、あの時の当初の会社発表や説明とまんま同じだ。納得できない私は「でも小島さんも個人的にサイトと関係なくリプを飛ばしたりもするでしょう」と曖昧な言葉を投げてみた。

「そりゃもちろんですよ、私だってテラハは観てましたからね。ムカつくこともありましたよ」

 色白で小太りの小島さんの細い一重が眼鏡越しにいっそう細くなる。ムカつくこともあるからなんなのか。私はなんとか平静を装い、どういう人を狙うのかと訪ねた。PVが稼げて記事になる人なら誰でもいいのか。

「ファンネル(※護る論陣を張る支持者や仲間)が多い奴はダメですね、批判が殺到しても美味しい炎上は難しいし、うっかりするとこっちが攻撃を受ける。そういうインフルエンサーはネット訴訟にも詳しいから面倒です。あと政治もだめ、ネトウヨ界隈は最近金にならない。それくらいの利用価値しかないんだからがんばって欲しいんですけど、あいつら口ばっかです。だから急に話題になったタレントとか若手の声優、テレビで目立つ素人とかがいいですね。フォロワーが多くても信者は少ない人で、ちょっと反応を見て弱そうだったら完璧ですね。メンタル弱いくせにいちいちレスを返してくるような人です」

 弱い人を狙うということか。ファンネルとはフォローしてくれているアカウントの中でもとくに熱心なファン、信者が味方になってリプで反撃することを指すスラングで、よく「あの芸能人叩くと、信者(フォロワー)のファンネル飛んでくるからさー」のように使う。やはり小島さん自身も自作自演で、その複数のアカウントを使って炎上に加担しているのではないか。まとめサイトのネタを作ったり、誘引しているのではないか。

「それはありますよ。炎上させるのに焚き木はなくちゃね。クソリプ飛ばしたり複数のアカウントでまとめるために自作自演はしてます。それはまとめサイトの多くがしてますが、違法ではありませんね。これ、女子プロレスラーの話ではないですよ」

 違法ではないから何をしてもいいのか、人間を何だと思っているのか。みな生きている生身の人間だ。家族もいる。木村花さんを一生懸命育ててきたお母さんがいる。誰にだっている。なぜ縁もゆかりもない小島さん、いやお前にそんなことをされなければいけないのか。

「だからその女子プロレスラーと絡めるのやめてもらえます? だいたいなんで怒ってるんですか? あんたらマスゴミとやってることは一緒ですよ」

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