「昨今の芸能界の不倫騒動について伺いたいのですが……」と記者がおそるおそる声をかけると、傍にいる娘2人が「あっはっはっ!」と大爆笑。火野が照れ笑いしながら語ったのが、冒頭の言葉だった。
──このところ芸能人の不倫スキャンダルが続いていますが、火野さんはどう見ていますか。
「そんなこと言われてもなぁ。俺はずっと自分が生きていくのに精一杯。人様のことをどうこう言える立場じゃないよ」
──失礼ながら、火野さんには「不倫の作法」というものがあったのでしょうか。
「悪いけど、俺から話すようなことはないかな。みんな、自分のことは自分でやれってね」
穏やかにそう言い残すと、火野は自宅の中へ。問答を見守っていた娘たちが、「お疲れさまです。せっかくいらしてくれたのに、申し訳ございません」と笑顔で記者を労ってくれた。紆余曲折を経て辿りついた穏やかな生活のなかで、「昭和の色男」はすっかり好好爺になっていた。
※週刊ポスト2020年8月28日号