「Aが将来について、愛之助さんに相談することもあるようです。最近、Aは笑いながらやけど、“歌舞伎役者は嫌やぁ”と言うとります」
Aくんがこう口にするのは、愛之助との会話の中で、歌舞伎が話題にのぼることがあるからなのかもしれないが、そこには、愛之助の親心が見え隠れする。
「愛之助さんは部屋子出身という事情はあるけれど、歌舞伎界の厳しさを人一倍知っています。だからか、“子供が男の子だったら、歌舞伎役者が宿命づけられてしまう。それが不憫だ”と、口にしていたこともありました。
もともと、B子さんはAくんに歌舞伎役者になってほしい気持ちもあったし、Aくんはそんな母親の思いも知っている。当然、歌舞伎界を意識したこともあるでしょう。でも愛之助さんはAくんに、“歌舞伎役者にならなくていい”“自分の思う道を行ってほしい”と話しているようです」(前出・愛之助の知人)
愛之助は2018年に、自分と同じ一般家庭出身の片岡愛三朗(当時15才)を部屋子として弟子にとり、一門の次世代を担う後継者としての育成を始めている。
『八月花形歌舞伎』出演後の愛之助を、歌舞伎座で直撃した。
Aくんの「認知」や「現在の関係」について口を開くことはなかったが、Aくんが冗談交じりに「歌舞伎役者にはなりたくない」と周囲に話していることを伝えると、「フフフフフ」と笑みを浮かべて、優しい父親の表情になったのだった。
新たな親子関係が築かれていた。
※女性セブン2020年9月10日号