その3の「朝晩の通勤電車は、もう普通に混んでますよね」と話を振って、怖いからリモートにしているとか時差出勤をしているという答えが返ってきたら、それなりに警戒度が高そうです。嘆いたり文句を言ったりするだけなら、たぶんそんなに警戒度が高くはありません。会社の方針も関係してきますが、語り方からも察知できそうです。
自分が高い側でも高くない側でも、気を付けたいのは相手が「違う側」だった場合の反応。けっして深入りせず、フラットな表情を保ちながら「ですよねー」などと曖昧に返して、さっさと話を変えましょう。「同じ側」だった場合は、日頃の思いや「違う側」への不満をぶつけ合えば一気に距離が縮まりそうです。
うっかり相手と自分とのスタンスの違いが浮き彫りになってしまった場合、当たり前ですが説得して“改心”させる必要はありません。そんなことは不可能だし、そもそもおこがましい行為です。「人それぞれ、いろいろですよね」と相手を尊重する姿勢を見せることで、無駄な軋轢やお互いに抱かなくてもいい反感を回避できるでしょう。「怖がりなタチで」とか「ルーズなタチで」などと言いつつ、自分を下げておくことも大切です。
早めに相手の警戒度を把握し、それぞれのスタンスを尊重した接し方をする。自分と違っていても、相手を否定したり責めたりしない。違いをわざわざ明確にせず、曖昧なリアクションで話をうやむやにする。コロナ禍における人間関係を円滑に保つためには、そんな「新しいマナー」を心がける必要があると言えるでしょう。