【年代別】
(1)50─59歳/284人(全体の15.9%)
(2)40─49歳/281人(15.8%)
(3)70─79歳/251人(14.1%)
(4)20─29歳/238人(13.3%)
(5)30─39歳/216人(12.1%)
(6)80歳以上/211人(11.8%)
(7)20歳未満/91人(5.1%)
全体に占める割合では40歳以降が1235人で全体の69%を占めている。
【年代別の前年同月比】
(1)20─29歳/73人増(2)20歳未満/48人増(3)30─39歳/46人増
若者世代の急増ぶりが顕著。20代未満の自殺者は前年8月の自殺者は43人だったから、2倍以上になった。20歳未満と20代の自殺者の合計は329人で、前年同月の208人と比べ121人もの増加だ。
コロナ禍の長期化が原因か
国の将来を担う若者の自殺が増えているのは由々しきことである。データをもう少し分析してみたい。
8月の自殺者の男女別を見ると、20歳未満は男51人(前年同月比18人増)・女40人(30人増)。20─29歳は男160人(49人増)・女78人(24人増)、30─39歳は男145人(18人増)・女71人(28人増)となっている。
30代まで(40歳未満)の若い世代でみると、男性の自殺者数は356人で前年同月比31.4%増となっているのに対し、女性は189人で前年同月比でなんと76.6%の大幅な増加となっている。
コロナ禍の長期化で、感染者数の増大だけでなく全国的な経済悪化の影響による自殺者の増加が懸念されていたのが、現実のものとなってきた。とりわけ若い世代の自殺が増えているのは気にかかる。
若い女性の自殺が増加していることについては、ニュースでも取り上げられ、「子育てや家事などでストレスがあっても自宅いることが多く、相談しにくい」「コロナの影響で友人や知人に会えない」「著名人の自殺に影響を受け心理的な負担が増している」などの分析がなされている。
女優・竹内結子さんの死が明らかになった翌日(9月28日)、加藤官房長官が「悩みで孤立することがないよう、温かく寄り添いながら見守っていくような社会を一緒に構築していきたい」と記者会見で語った。
この会見では相次ぐ芸能人の自殺とみられるケースが相次いでいることに関連して、「一般論として、著名人の自殺、その可能性についての報道は大変影響が大きい。新たな自殺を引き起こす可能性もある」と踏み込んだ発言も。
また、コロナ禍との関連については、「自粛やステイホームで他の人と接触しにくい状況もあり、こうした中で鬱などの状況になりがちだという指摘もある」と、関連の可能性について言及した。ニュース報道の分析や官房長官の発言内容は、その通りなのだろう。ただ、それだけではなく、もっと根源的な原因があるのではないか。