また、同一グループ内での乗り替わり。そして関西騎手が関東へ遠征する場合など。どういう結果になったのか、データを取ってみた。身内の記者が関わっているため、競馬メディアでは決してやらない作業のはずだ。出走表にage名を書き加えてみると、何かが見えてきそうである。特に現役トラックマンの紙面の印。自分で仲介しておきながら「△」ってどうよ。胸を張って仲介したものの、このメンバーの力関係を冷徹にみると△ってことだろうか。そして結果は?
さて11月。阪神の「みやこS」に好きな馬が出た。鞍上は浜中。馬柱には武豊の名も。武豊騎乗の馬は単勝2番人気。浜中は7番人気。迷わず浜中の馬を軸に据えた。結果は浜中5着、武豊10着。直線の浜中の手綱には瞠目した。前の3頭に離されたところから渾身の追いっぷり。馬券はスカでも、気持ちはスカっと秋晴れなのだった。
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2020年12月11日号