すでに賞レースで好成績を残してきた芸人たちも多い。
「注目しているのは実力派漫才師の『マユリカ』、そして異色のコント師『ビスケットブラザーズ』です。マユリカのツッコミの中谷祐太は元漫画家で“お絵かき芸人”としても知られる。小学館の新人コミック大賞で佳作を受賞した経歴の持ち主です。
一方、ビスブラは過去にキングオブコントの決勝にも進出した実力派。劇場で彼らのコントを見ると、大きな劇場の一番後ろの席にまで響き渡る声量に驚かされます。舞台に登場した瞬間から客席に笑いが起きるなど、芸人としての存在感も抜群。最近テレビ露出も増えてきた『空気階段』とともに、定期的にユニットライブ『俗の細道』を行なっていますが、今年のライブも独特の世界観で客席を魅了していました。
そしてコントと漫才どちらもいける『ニッポンの社長』。辻はNSC34期と一つ先輩にあたりますが、劇場の芸人からも一目置かれる存在です。ケツは霜降りと同期のNSC33期で、大阪時代のせいやのルームメイトでもありました」(同前)
緊急事態宣言以降、よしもとの劇場も有効席数を大幅に削減し、密を回避しながら劇場運営を続けてきた。「なんばグランド花月」や「よしもと漫才劇場」は、1か月ほど前からようやく隣同士になる座席使用を許可し、客を前方に詰めて座らせるようになったが、コロナ前に比べれば客入りは3分の1ほどに抑えられている。
前出・在阪記者によれば「平日の漫才劇場の公演は、だいたい最前列から2列空けており、C列からI、J列くらいまで客で埋まっている」状況だという。コロナ禍で芸人にとっても厳しい状況になっているが、12月1日には大阪城の足元に「森ノ宮よしもと漫才劇場」が新たにオープン。この苦境を乗り越えて、“当たり年”と名高いNSC33期の中から、新たなブレイク芸人が現れるか。