だが、問題もある。周来友氏は自分の事務所に周庭氏を迎えることはできないという。
「もし、私が所属させたら、私も中国に帰れなくなります。周庭さんを所属させた芸能事務所にはさまざまな政治的圧力が中国からかかるかもしれません」(周来友氏)
以前、香港デモが激しさを増すなか、日本人漫画家が周庭氏のツイッターに「いいね」を押した後、中国で配信されている同漫画家のアニメコンテンツが一斉に削除されたことがあった。周庭氏が芸能活動を行なった時には、共演者や関連コンテンツに中国政府から圧力がかけられる懸念が拭えないのである。
「その場合は芸能人枠ではなく、文化人枠という手もあります。学術分野に軸足を置いて、外国人コメンテーターとしての活動なら大丈夫ではないでしょうか」(周来友氏)
実際に、現在でも周庭氏は北海道大学公共政策大学院のフェローとして、2021年度までの任期が残っている。
実刑判決の直後、泣き崩れたといわれている周庭氏。香港では、民主派の前議員ら53人が逮捕されるなど緊迫感を増しているが、再び彼女の笑顔が見られる日を願ってやまない。