国内

コロナ対策 池田勇人ならコロナ後の「所得倍増計画」で希望与えたか

池田勇人氏が生きていたら、このコロナ禍をどう乗り切るか?(写真/共同通信社)

池田勇人氏が生きていたら、このコロナ禍をどう乗り切るか?(写真/共同通信社)

 失敗ばかりの日本のコロナ対策。かつて高度経済成長の進展に貢献した池田勇人氏が生きていたら、このコロナ禍をどう乗り切っただろうか──。元厚生大臣の津島雄二氏が、過去の歴史を振り返り、現状を打破するヒントを提言する。

 * * *
 コロナ禍で日本が八方塞がりになっている今、求められているのは池田勇人さんのようなネアカの総理大臣です。

 所得倍増計画というと相当な大風呂敷の目標ですが、池田さんに「私は嘘を申しません」と言われると、当時、大蔵省官僚だった私を含め、国民はみな信じたくなる。そういう雰囲気でした。

 新型コロナを収束させるのは容易ではなく、取るべき対策を粛々と進めるしかありません。そのため安倍政権も菅政権もコロナ対策を担う厚労省を重視してきましたが、肝心の厚労省が動かない。

 その点、池田さんは動かない役所を動かす手法を心得ていました。所得倍増計画のときは、総理がイケイケどんどんの目標を提示するので、省庁のなかでも最も慎重になりがちな大蔵省の役人たちも、引っ張られる形で協力させられていった。

 池田さんなら「PCR検査を1日に何人以上に実施する」「コロナ病床を何床確保する」という具体的な目標を国民に提示して、厚労省が行なわざるを得ない状況にしたでしょう。

 一方で、目先のコロナ禍だけに気を取られているわけにはいきません。コロナ収束後の経済成長の下地を今から固めておくことが必要です。大切なのは先端技術への投資で、早々に対応しなければ、あっという間に中国に追い抜かれてしまう。コロナ禍にあっても、技術開発の手を止めてはならないのです。

 菅政権もデジタル化やカーボンニュートラルといった政策を打ち出し、次世代に向けた取り組みを掲げていますが、どうも国民はピンときていない。国民の期待の高まりが後押しとなり、国を挙げての技術開発が進むのですが、菅総理の発信力が欠けているため、残念ながら具体的なイメージが抱けないのです。

関連記事

トピックス

荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
舞台『シッダールタ』での草なぎ。東京・世田谷パブリックシアター(~2025年12月27日)、兵庫県立芸術文化センター(2026年1月10日~1月18日)にて上演(撮影・細野晋司)
《草なぎ剛のタフさとストイックさ》新幹線の車掌に始まり、悟りの境地にたどり着く舞台では立見席も
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
「異物混入」問題のその後は…(時事通信フォト)
《ネズミ混入騒動》「すき家」の現役クルーが打ち明ける新たな“防止策”…冷蔵庫内にも監視カメラを設置に「なんだか疑われているような」
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン