芸能

女子アナのタレント化は『オレたちひょうきん族』から始まった

明石家さんまは『明石家サンタ』で長年、八木亜希子アナと共演

明石家さんまは『明石家サンタ』で長年、八木亜希子アナと共演

 バラエティ番組において、女子アナは、大物MCと共演することで成長していく。「てれびのスキマ」こと戸部田誠氏がレポートする。

 * * *
「女子アナ」という概念は「楽しくなければテレビじゃない」を標榜していた1980年代のフジテレビが作ったものだと言われている。より詳しく言えば、ビートたけし、明石家さんまが出演していた『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系、1981~1989年)が始まりだった。

 その人気コーナーのひとつ「ひょうきんベストテン」は当初、明石家さんまが司会を担当していたが、島田紳助に交代。それに伴って、アシスタントとして山村美智子アナウンサーが起用された。「元祖・ひょうきんアナ」の誕生である。

 それまでであれば、進行役であれば良かったのだが、何でもありだった『ひょうきん族』はそんなに甘くはない。後ろからイタズラもされ、首まで絞められる。目の前で全裸になられたり、スカートをめくられたり、セクハラも当たり前。その時のリアクションがウケてアナウンサー=原稿を読む人という概念が覆され、タレント化した「女子アナ」が誕生した。

 こうした流れを受け、1988年に有賀さつき、河野景子、八木亜希子という、のちに「花の三人娘」などと呼ばれるスター女子アナが一挙にフジテレビに入社した。河野景子は学生時代から大ファンだった明石家さんまと番組で共演した際、「きっと俺ら結婚するで!」と言われ有頂天となったが、さんま自身に「やっぱりさんまを扱うのがうまい」と絶賛され寵愛を受けたのは八木亜希子だった。

 八木は入社わずか2年目の1990年から始まった『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』(フジテレビ系)でさんまのパートナーに抜擢された。当初はさんまが電話を切ると「かわいそう」などと言っていた八木だが、さんまが女性の視聴者の電話をなかなか切らずにいると受話器を奪い取って切ったりするようにもなった。もちろん、さんまはそうした八木の言動を大いに気に入り、彼女がフリーになって以降も現在に至るまで名コンビとして番組は継続している。

【プロフィール】
戸部田誠(とべた・まこと)/1978年生まれ。ペンネームは「てれびのスキマ」。著書に『タモリ学』『1989年のテレビっ子』など。

イラスト/長堀久子(オイコーポレーション)

※週刊ポスト2021年3月12日号

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン