早稲田大は49年ぶりに「志願者10万人」割れ
そのシワ寄せが一般選抜の志願者減につながった面もある。昨年はトップの近畿大の志願者数が14万5350人で、2位の日本大以下、早稲田大、立命館大、法政大、千葉工業大、明治大、東洋大の順に、8位までが10万人を超える人気だった。8校が10万人を超えるのは史上初めてのことだった。
ところが、今年は現在のところ近畿大だけが10万人を突破しており、8年連続志願者日本一に王手をかけている。2位の明治大、3位の千葉工業大は今後、出願を受け付ける方式があり10万人を超える可能性がある一方で、早稲田大はじつに49年ぶりに志願者10万人を割り込み、9万1659人にとどまった。
大手私立大は軒並み志願者減だが、その理由としては、やはりコロナ禍がある。感染拡大する大都市圏の大学への進学を敬遠する地方の受験生が多かった。地元の大学を目指す受験生が増え、大都市の大手私立大の志願者が減ったのだ。
さらに、4月以降の大学教育がどうなるかという不安な面も志願者数に影響したと見られる。昨年入学した1年生はコロナの感染拡大、緊急事態宣言の発令で急遽、オンライン授業中心になった。
キャンパスを訪れる機会もほとんどない学生が多かった。学生はクラブ・サークル活動や、アルバイトもできず、1年生は友人もできない状況だった。小中高などでは授業を再開しているが、大学だけがオンライン授業中心だ。
この4月以降もオンライン授業中心なら、家を離れて大学進学する意味があまりない。だから地元の大学に進学しようという意識が高まった。