焚火と星空を眺めながら「贅沢ディナー」

 日が落ち始め、キャンパーたちが夕飯づくりに取り掛かっている。こちらも始めよう。

日が暮れたキャンプ場(青野原野呂ロッジキャンプ場/筆者撮影)

日が暮れたキャンプ場(青野原野呂ロッジキャンプ場/筆者撮影)

 まずは前菜。網の上にアルミでくるんだジャガイモととうもろこし、ウインナーを置いて炭火で焼く。風はだんだん収まってきた。ホットウイスキーをお代わりして焼き上がりを待つ。火を眺めながらボーっとする。非日常の世界に浸るひとときはキャンプの醍醐味の一つだ。

 焼き上がったジャガイモ、トウモロコシにバターを塗ってかぶりつく。うまい! この時ばかりは冷たいビールだ。クーラーボックスから冷えたビールを取り出し、カップに注いで飲み干す。

 ソロキャンパーが多いせいか、周囲はいたって静かだ。夏休みのファミリーキャンプ地のような喧騒とは無縁。ときおり、隣のサイトの愛犬がクンクンと声をあげるぐらいだ。

大自然に囲まれながら食べる牛肉ステーキは格別(筆者撮影)

大自然に囲まれながら食べる牛肉ステーキは格別(筆者撮影)

 続いては本日のメインディッシュの牛肉ステーキ。前日の夜からマイタケと塩麹に漬け込んできた安いアンガス牛がどこまで柔らかくなっているか。小さめのスキレットを網の上で温め、オリーブオイルとガーリックで焼き上げる。肉の焼ける匂いが漂う。焼き過ぎないように頃合いを見計らって裏返し、ミニトマトと茹でてきたブロッコリーを添える。

 さあ、焼けた。ナイフで切り刻み、口の中に。う~ん、これはいける。十分に柔らかくなった肉片をかみ砕き、ビールで流し込む。ガーリックの香りが食欲をそそる。真っ赤に燃える火を眺めながらの贅沢ディナーだ。

 食事を終えると夜空に無数の星が輝いている。テントサイトのランタンの柔らかい灯りと夜空の星。大自然のなかで夜がゆっくりと更けていく。

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