そして高校生タイムスリップといえば、『信長協奏曲』と『アシガール』も忘れちゃいけない。
『信長協奏曲』は、戦国時代にタイムスリップしたお調子者の高校生(小栗旬・ちなみに当時31歳)が自分にうり二つの信長に「自分と入れ替わってほしい」と頼まれ、家臣たちとチャラチャラとしながらも天下統一しちゃいそうになるという物語。「月9」ドラマに続き劇場版では、池田恒興(向井理)ら家臣たちと「戦のない平和な世」を目指すサブローに「本能寺の変」が迫る。
また、『アシガール』の女子高生の速川唯(黒島結菜)は、発明マニアの弟が作ったタイムマシンをうっかり稼働させ、戦国時代に。地元の羽木家の若君・忠清(伊藤健太郎)に一目ぼれした彼女は、「足軽の唯之助」と男のふりをして忠清を追いかける。
なぜ、高校生ばかりタイムスリップするのか。最大の理由は、「日本史の教科書を持ち歩いているから」である。
『幕末未来人』のふたりは歴史年表で幕末の出来事を言い当てたため、佐幕派からも討幕派からも狙われ、『幕末高校生』のドラマでは「幕末ガイドブック」を見た佐久間象山(石橋蓮司)が「幕府は滅びるのか」とびっくり。『信長協奏曲』ののんきなサブローも日本史の教科書で信長の運命を知る…。現代のテキストが過去に持ち込まれ、登場人物たちが手に取って読めるというのが、ミソなのだ。『ブレイブ』でも、「日本史B」の教科書を手にして、目を光らせる武将がいる!? 禁断のテキストは、タイムスリップ物語のもっとも重要なカギなのである。