なぜ現役、女子の東大合格者が増えたのか
かつては「公立進学高は4年制」などと言われていたが、今は現役合格者が増えている。日比谷は63人中48人が現役で、横浜翠嵐は50人中44人、水戸第一は23人中20人が現役だ。特の女子の合格者が多いことが、現役の割合を押し上げていると見られる。
今年は東大の一般選抜の女子合格者が増えた。昨年に比べて42人増加の598人合格でちょうど2割を占める。しかも合格率(志願者数÷合格者数×100)が、昨年の29.3%から32.2%に上がっている。
大手予備校によると、女子の合格率が高まったのは、今年の文科類の数学がやさしかったことに理由があるという。中高一貫生が得意な数学であまり差がつかず、女子、公立高の躍進につながったと見られる。
文科類の合格者合計を見ると、日比谷は63人中32人、浦和・県立は46人中24人、水戸第一は23人中13人と、これらの学校では文科類の合格者数合計が全合格者の5割を超えている。本来、理科類の合格者数合計は文科類の合格者数合計の1.5倍だから、理科類の合格者が多くて当たり前だ。ちなみにトップの開成は、144人中文科類合格者は52人に過ぎない。
また、コロナ禍で懸念された地元志向だが、志願者で昨年より減ったのは東北、北陸、中・四国、九州だった。感染が拡大している地方からの志願者は増えており、地元志向が強かったわけでもない。東大ともなると、高校生の早い段階から志望していたと見られ、そうそう志望校を変えなかったようだ。