ライフ

死因1位「がん」大腸、肺、膵臓など、見逃せない部位ごとの初期症状

完治したと思ったら…

がんにはどんな初期症状が?

 がんは1981年以降、日本人の死因の1位を占め続けている。厚労省によると2019年にがんで死亡した人は37万6425人にのぼり、これは全死因の27.3%に当たる。死亡数が多いがんの部位は男女合計では肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順だが、女性に限れば、大腸がんがトップ。次いで肺、膵臓、胃、乳房の順になっている。神奈川県在住のパート・Aさん(40代女性)が、めまいに悩まされるようになったのは、昨年夏のことだった。

「はじめのうちは暑さにやられたのかなと思って、あまり気に留めていませんでした。でも、そのうち、お腹に張りを感じ、便秘と下痢を繰り返すようになったので、仕方なく病院を受診しました。検査の結果、大腸がんと診断されました。めまいを起こしたのは、大腸からの出血で貧血状態になっていたからだと説明されました」(Aさん)

 新潟大学名誉教授の岡田正彦さんが説明する。

「大腸がんは自覚症状がないことがほとんどで、下痢と便秘を繰り返す、便に血が混じるなどの症状が出たときには、ある程度進行している場合も多い。早期発見のため、便中の目に見えないごく微量の血液を化学反応で判別する『便潜血検査』が普及していますが、必ずしも万能ではありません」

 女性2位の肺がんも早期では発見が難しく、それが死亡者数の多さにつながっている。

「かつて血痰は肺結核の症状でしたが、いまは真っ先に肺がんを疑うようになっています。肺がん患者の9割は喫煙の習慣があった人なので、たばこを吸っていて、血痰が出ている場合はすぐに検査を受ける方がいい」(岡田さん)

 咳が止まらない、声がかすれる、倦怠感なども肺がんの初期症状。「たばこを吸いすぎたからかな」と思って放置していると、がんが進行してしまうから要注意だ。

 女性のがん死亡数3位の膵臓がんは、「背部痛」を伴うのが特徴だ。東京都在住の主婦・Bさん(40代)が語る。

「半年ほど前、ひどい腰痛に悩まされ、腰痛体操をしたり湿布を貼ったりしてもいっこうによくならない。整体医院に行って指圧を受けたら、尋常じゃないくらいの痛みがあって。整体医に『内臓、特に膵臓が悪いのでは』と言われて病院で検査を受けたら、膵臓がんと判定され、まさかとショックを受けました」

 ほかにも初期症状として胃もたれや食欲不振、左肩痛がある。

 愛知県在住の主婦・Cさん(50代)が患ったのは、東と同じ、女性の死亡数4位の胃がんだった。

「昨年の春先からなんとなく食欲が落ちて、ちょっと食べるとお腹がいっぱいになりました。貧血ぎみで、めまいも時々ありましたが、それもちゃんと食べていないからだろうと思っていたんです。

 でも、食べてもいないのに、胃のもたれや吐き気に悩まされるようになり、『ちょっとヤバイかも』って。コロナの患者数が少ない状態が続いた6月に、思い切って病院を受診したところ、胃がんが判明しました。幸い『スキルス胃がん』ではなかったので、内視鏡による除去手術で治すことができました」(Cさん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン