国内

「五輪までは菅首相支持」の安倍前首相 解散権を封じ後継総理選びへ

安倍晋三・前首相にはどんな思惑が?(時事通信フォト)

安倍晋三・前首相にはどんな思惑が?(時事通信フォト)

「内政、外交について意見交換した。非常に有意義だった」。菅義偉・首相は安倍晋三・前首相との会談(3月29日)の後、議員会館の安倍事務所の前で待ち受けていた30人近い記者たちに囲まれると珍しく機嫌良くそう語った。

 菅・安倍会談は首相就任直後の昨年10月以来ほぼ半年ぶり。前回は約10分間だったが、今回は50分近く話し込んだ。

 訪米を前に「外交が苦手」とされる首相が安倍氏に外交上のアドバイスを求めたのはわかる。だが、わざわざ「内政」についても話し合ったとリップサービスしたことで、永田町は、すわ解散総選挙かと浮き足立ち、「4月30日解散、5月23日投開票」といった選挙日程が流れている。

 もっとも、2人には会談が注目されること自体が計算通りだ。菅首相にとって、退陣後も最大派閥・細田派の実質的なトップで党内に隠然たる勢力を持つ安倍氏の存在は潜在的な脅威だ。それだけに、首相就任以来「疎遠」とみられていた安倍氏と面談したことで、「安倍氏は菅政権を支持している」と党内に印象付けた。

 一方、「桜を見る会」をめぐる捜査で政治活動を制限されてきた安倍氏も、首相との会談で「政権への影響力は健在」だとアピールすることができた。

 だが、互いの本音は「一枚岩」にはほど遠い。「五輪までは菅ちゃんを支えなきゃな」。安倍氏が側近に漏らしているという言葉には、菅首相への複雑な感情が滲んでいる。側近議員がいう。

「安倍さんは日頃から、『五輪まで』と期限付きで菅さんを支えるという。菅総理は安倍さんの総裁任期の残りを引き継いだ救援投手。だから『オレには支える責任がある』とも語っているが、それは自分が誘致した東京五輪を成功させたいという思い。副総理の麻生(太郎)さんと会った時もよくそんな話をしているそうです」

 裏を返せば、“五輪までは菅首相に解散させない”ということだ。

 だが、東京五輪・パラリンピックが終われば、すぐ自民党総裁選に突入する。「五輪までの支持」とは、安倍氏が総裁選では「菅続投支持」ではなく、フリーハンドを持つつもりであるという意味まで読み取れる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン