国内

もはや新型コロナは「お笑い」状態 右往左往させられる人々

発生から1年半近くが過ぎたが…(AFP=時事)

感染は広がるばかりだが…(AFP=時事)

 漫画家の小林よしのり氏と京都大学ウイルス・再生医科学研究所ウイルス共進化分野准教授の宮沢孝幸氏が新型コロナウイルスについて語り合った『コロナ脳 日本人はデマに殺される』が発売後すぐに重版となるなどヒットしている。2人と一緒にコロナ関連のイベントに登壇したこともある、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は本書をどう読んだか。

 * * *
 とにかく明るい対談なのである。これは初めての読書体験だ。病気やウイルスという深刻なイシューについて対談しているのに、宮沢氏がやたらと「ディープキス」の話ばかりしているのである。いや、言い過ぎた。2回ぐらいしか出てこない(と思う)。同氏がイベントの時にディープキスの話ばかりしていたので、その印象に引きずられてしまった。

 小林氏は『コロナ論』(扶桑社)を執筆するなど、コロナに関してはこの1年以上「素人」ながら研究を続けてきた。そして専門家や政治家、テレビに登場するコメンテーターがいかに信用ならないかを主張し続けてきた経緯がある。

 互いに「完全同意」という状態ではなく、小林氏も宮沢氏も「ですよね~」というばかりの「慣れ合い対談」をしているわけではない。宮沢氏は「あとがき」で互いに異論があることは認めながら、「基本的には同じ姿勢、同じ考え方に立つ人であることを改めて確認できました」と述べている。

 さて、冒頭で「とにかく明るい対談」と書いたが、それが一体何なのかを考えると、2人が語っているテーマが「新型コロナ」なのだが、そのテーマ自体がもはやお笑いである、ということではなかろうか。陽性者が苦しむ様は当然お笑いではないのだが、とにかくメディアや政治家がビビりまくり、これを真に受けて「ヤバ過ぎる殺人ウイルス」と解釈した一般大衆が「コロナ脳」になっている点が「お笑い」ということである。

 2020年の死亡者は138万4544人で、前年より9373人(0.7%)減った。コロナ死は1年2ヶ月で約9000人である。しかも、若者はほぼ死なず、10代以下はゼロ。死者のほとんどは高齢者で、「寿命が来た」とも解釈できるような状況なわけで、全然「ヤバ過ぎる殺人ウイルス」ではないのにエラい人も一般人も右往左往するって一体なんなのだ?

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン