「この中で、光山や山下は現役時代に近鉄で、黄金時代の西武と毎年のように優勝争いをしていたし、1989年には優勝もした。鶴岡も巨人や阪神で日本シリーズを経験している。しかし、今年の1軍コーチである藤田はプロ経験がないし、新沼は実働10年143試合出場で、年間最多も45試合に留まっている。
補佐的な役職としては優秀なのかもしれませんが、現実的に2軍から1軍に良い捕手を送り込んだこともない。特に、バッテリーコーチは現役時代の経験がモノをいう役職ですから、フロントがどういう意図で起用しているのか不可解な面もあります」
盗塁をほとんどして来なかった走塁コーチ
同じく最近5年の走塁コーチは、2017年は万永貴司、上田佳範(1軍)、永池恭男(2軍)、2018年は永池、上田(1軍)、福原峰夫、小池正晃(2軍)、2019年は永池、上田(1軍)、小池(2軍)、2020年は永池、上田(1軍)、柳田殖生、田中浩康、小池(2軍)、2021年は永池、小池(1軍)、柳田、田中(2軍)となっている。
「2018年以外、DeNAはリーグ最下位の盗塁数です。もちろん、盗塁が走塁のすべてではないですし、ラミレス監督は足をあまり使わない野球だったことも大きく関係しています。しかし、特に結果を残していないのに、コーチ陣の顔触れがほとんど変わらない。ちなみに、この中で現役時代にシーズン2ケタ盗塁をしたコーチは1人もいません。
今季の1軍走塁担当である永池は実働12年で2盗塁、小池は実働13年で6回しか盗塁していない。2軍の柳田は実働9年で0盗塁です。田中の実働14年33盗塁が多く見えるほど。DeNAには神里和毅や桑原将志、関根大気などの俊足がいるのに、彼らは盗塁失敗が多い。コーチが機能していない証拠です」
DeNAから巨人へFA移籍した梶谷は現在、リーグトップの6盗塁を誇っている。昨年は1年で14盗塁であり、今年は1か月で半分を越えそうな勢いだ。
「巨人には盗塁王4度を獲得し、通算358盗塁の石井琢朗野手総合コーチがいる。今年のDeNAの1軍2人の走塁コーチは合わせて8盗塁ですから、350もの差がある。石井コーチは梶谷にとって、大きな存在でしょう。梶谷も井納も、金銭面の条件だけでなく、野球選手として良い指導者に巡り会って成長したいと考えた面もあったのでは。その時、優秀なコーチが揃っている巨人が獲得に名乗りを上げれば、移籍して当然ですよ」