第1世代より落ちたパワー
大きな転換がもうひとつある。第1世代にあったターボエンジンや高出力型自然吸気エンジンはすべてディスコンとなり、2モーター式のストロングハイブリッド「e:HEV」が主力、純エンジングレードは低出力型の1ラインのみ。昨今、世界ではSDGs(持続可能な開発目標)が連呼され、自動車業界では電動化ブームが過熱しているが、第2世代ヴェゼルはその流れにガッツリ乗った格好だ。
電気モーターの出力は131ps。ベースとなった現行の第4世代「フィット」の109psより強力で、重量がちょうどヴェゼルと同じくらいのCセグメントコンパクトセダン「インサイト」と同じ値である。
筆者は2019年にインサイトで4000kmドライブを敢行してみたが、その際に計測した0─100km/h加速はアクセルペダルをどーんと踏む一番シンプルなスタート法でもメーター読みで8秒を切るというかなりの俊足ぶりだった。ヴェゼルも動力性能については期待できそうである。燃費も悪くないだろう。
エンジン車のほうは、パワーが第1世代の131psに対して118psと落ちた。エンジン形式がシリンダー内部にガソリンを直接噴射する直噴式からエンジン・空気の混合気を吸い込む昔ながらのポート噴射式となったことが影響している。
燃費のほうはWLTC計測モードでFWD(前輪駆動)が17km/L、AWD(4輪駆動)が15.6km/Lと、1.2~1.3トン台の純エンジンSUVとしてはそれほど悪くない数字なので、走行距離があまり長くない顧客にとっては存在価値を感じられよう。