タフな戦いになる「対ヤリスクロス」
このように、いろいろな面で商品力の増強やキャラクターの転換が図られた第2世代ヴェゼルだが、厳しさを増す日本市場で果たして存在感を発揮できるのだろうか。
「ヴェゼルは小型SUV市場を開拓した先駆者という自負がある。しかし、今はコロナ禍に加え、競合モデルが多数登場しているという非常に厳しい競争環境にあると思う」
日本本部長の安部典明氏はこのように、競争は一筋縄ではいかないという見方を示す。
実際、第1世代ヴェゼルが登場した時は小型SUVでそこそこの存在感を示せていたのは日産「ジューク」くらいのものだったが、今は昨年のデビュー以降、大ヒット商品となっているトヨタ「ヤリスクロス」、モデル末期のヴェゼルを追い落として小型SUV2位に浮上した日産「キックス」など、強いライバルがひしめく激戦区となった。
まず、対ヤリスクロス戦はタフな戦いになるだろう。ヤリスクロスはヴェゼルよりさらにショートボディのモデルで、室内容積ではヴェゼルが圧勝するが、ヤリスクロスは車体やエンジンなどクルマの基本部分の設計が新しく、WLTC燃費値ではガソリン、ハイブリッドともヴェゼルを圧倒する。
デビュー後すでに小型SUVのベストセラーとなっているヤリスクロス相手にヴェゼルが実用性やハイブリッドの加速性能でどのくらい押せるかが勝負のカギを握る。