単なる給与カットになりかねない
具体的に説明しよう。欧米の企業では一人ひとりの仕事内容が明確に決められ、必要な資格や報酬も職務記述書に記載されている。
一方、日本企業では分担が一応決まっていても、仕事の範囲は必ずしも明確でなく、課や係といった集団単位でこなす仕事も多い。そのため特定の社員が週休3日制を選択すると職場の業務体制にひずみが生じ、休んだ人の仕事を他の人がカバーしなければならなくなる。
仕事の量と給与額とがリンクしていないことも問題になる。
企業が週休3日制を取り入れる場合、週休2日の社員との釣り合いを考えて、週休3日制を選択した社員の給与は、出勤日数に合わせ2割程度削減する例が多くなるだろう。しかし日本企業には明確な職務記述書がないので、給与は削減されても業務量は減らない可能性がある。そうすると単なる給与カットになりかねない。
あるいは当人の業務量が減らされても、職場全体の業務量が減らなければ、他の人にしわ寄せが及ぶ。そうなれば、不満の矛先は会社に向く。