島崎:僕らは漫才ブームの終わりに乗り込んだ流れだったんです。『笑っていいとも!』の前番組『笑ってる場合ですよ!』でネタをやってたから、声がかかった。
片岡:バンダナ巻いてね。
西川:可愛いトレーナーとか着て、女の子のファンも多かったもん。鶴ちゃんはブームとか関係なく、ピン芸で出てきた実力派やものね。斬新なモノマネで時代とマッチしてましたよ!
片岡:僕や邦ちゃん(山田邦子)が『ひょうきん』に出てこれたのは、横澤さんやディレクターのコンセプトのおかげです。裏番組がドリフターズの『8時だョ!全員集合』(TBS、1969~1985年)でしょ。あちらがグループで笑いを取ってるなら、こっちはトリオもコンビもバラにして、一人ひとりの個性でウケようと考えたそうなんです。
島崎:そうだった。ドリフが公開収録なら、僕らは客入れなしの収録にしようってことでしたね。
西川:台本より即興でいくというのもそう。でも、フジもシビアでしたよ。最初のクールはナイター中継と被る雨傘番組やったもの。正式にレギュラー番組になったのは秋からでしょ。
(2本目に続く)
【プロフィール】
西川のりお(にしかわ・のりお)/1951年、大阪府生まれ。「西川のりお・上方よしお」として漫才ブームを築く。ひょうきん族の代表キャラは「オバQ」「ツッタカ坊や」など。
【プロフィール】
片岡鶴太郎(かたおか・つるたろう)/1954年、東京都生まれ。師匠・片岡鶴八に弟子入りし、声帯模写で活躍。現在はドラマ・映画・演劇のほか、絵画やヨガなど幅広く活動。
【プロフィール】
島崎俊郎(しまざき・としろう)/1955年、高知県生まれ。1979年、川上泰生、小林すすむらと「ヒップアップ」を結成。「アダモステ」は番組終了後も続く人気キャラに。
取材・文/岸川真 撮影/本誌・藤岡雅樹
※週刊ポスト2021年6月4日号