芸能

尾野真千子 コロナ禍での撮影に葛藤「当たり前ではなく、恵まれたこと」

尾野真千子「撮影をやっていいのかという葛藤」もあったという

尾野真千子「撮影をやっていいのかという葛藤」も

 朝ドラ、大河など数多くの作品で活躍する女優が10年ぶりに『週刊ポスト』に登場した。この日の尾野真千子(39)は赤をグラデーションで纏っていた。

「赤は元気が出る色でエロスを感じさせる妖艶さもある。異なる表情を持つのが好きです。私の勝負カラーはベージュ。衣装に響かないように撮影には必ずベージュの下着で臨むので、“戦いに行くぞ!”と戦闘モードに入る色なんです」

 主演映画『茜色に焼かれる』で演じた主人公の勝負カラーが赤だ。コロナ禍の生きづらさや不条理な世の中でもがき、必死に前を向いて生きる母親を演じる。

「ウイルスへの恐怖から、撮影をやっていいのかという葛藤がまずありました。でも戦うと心を決めると徐々に力が漲り、“私の居場所はここなんだ。続けなきゃ、前へ進まなきゃ”って。決意でもあり、お芝居を続けてきてありがたさをようやく実感できた瞬間でもありました。あの場所で演じられるのは当たり前ではなく、恵まれたことだったんですよね」

 近年は母親役も増え、公開中の『明日の食卓』でも息子を持つ母を演じている。

「こちらも様々に重いものを背負ったお母さんで、幸せな役ってあまりないんです、私。演じ甲斐はとてもありますが、問題を抱えた母親役が多く自分の将来がちょっと心配です(笑い)」

 役の印象とは違って、素の尾野は“元気な赤”を地でいくように明るい。

「朝ドラの出演でお仕事が急に増えた頃は余裕がなくて、いつもピリピリしていました。でも楽しく過ごせば疲れも半減しますし、最近は自分のためにも笑っていようって。役者としてもでーんと構えて、いるだけですべてを語れるような存在になれたらいいな」

 今は年齢的にも、芝居で小細工をして一生懸命暴れていると明かす。40代を控え、佇まいだけで演じられる女優への憧れを語った。

【プロフィール】
尾野真千子(おの・まちこ)/1981年11月4日生まれ、奈良県出身。1997年、『萌の朱雀』でデビュー。NHK連続テレビ小説『カーネーション』(2011~2012年)、大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年)などドラマでも活躍。公開中の映画『茜色に焼かれる』『明日の食卓』に出演。

撮影/西條彰仁 文/渡部美也

※週刊ポスト2021年6月11日号

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン