国内

ワクチン大規模接種の対象拡大初日に58歳のコラムニストが打ってみた

石原壮一郎氏

石原壮一郎氏が

 ワクチンを打つべきか、接種の現場はどんな状況なのか、思案している人は多いだろう。ワクチン大規模接種の対象が拡大された初日に打つことができたコラムニストの石原壮一郎氏がレポートする。

 * * *
 目の前には、マスクをしていても超絶美女とわかる女医さんが座っています。米倉涼子と若尾文子を足して20ぐらいかけた感じでしょうか。受付の次に案内されたのは、7つ並んだ問診ブースのひとつ。しっとりとした声(主観)で、静かに問いかけてくれます。

「これまでに注射を打って体調が悪くなったことはありますか?」
「いえ、ありません」

 そんなやり取りをふたつみっつ。事務的な会話だけでお別れするのは、あまりにも寂しすぎます。なにか、なにか世間話を……。

「こ、ここにいらっしゃるのは、みなさん自衛隊の方なんですか?」
「はい、そうです」
「お、おね……いや、お医者さんもそうなんですね。(いやあ、自衛隊にこんなきれいな方がいらっしゃるなんて。あっと驚くタメゴローですよ)」

 カッコ内の言葉は、TPOをわきまえて、ぐっと飲み込みました。お忙しいのに、もうこれ以上は粘れません。「おつかれさまです。ありがとうございました」と言って席を立ち、隣りの部屋の接種エリアへ移動しました。

64歳以下の受付開始直後に初日の予約を思いがけずゲット

 ここは東京・大手町にある「自衛隊東京大規模接種センター」。5月末に開設された当初は65歳以上が対象で、たちまち予約が埋まる盛況ぶりでした。ところが、6月に入ってしばらくすると急にガラガラになり、17日から64歳以下にも対象が拡大されます。

 64歳以下の予約の受付が“解禁”されたのが、16日午前0時。前日というか実質的には同じ日の15日昼に、たまたま自治体から接種券が届いていました。自治体の予約の受付が始まるのは、2週間ぐらい先です。「本当に予約できるのかな……」と半信半疑なスタンスで、0時過ぎにweb予約のページを覗いてみました。

 生年月日を入力する欄には、まだ「65歳以上の方が対象です」という記述があります。「まあいいか」と思いながら、接種券番号などの必要事項を入力して先に進んだら、希望の日付と時間を選べるページに。64歳以下の接種がスタートする17日の9時30分の予約が、あっさり取れてしまいました。知人の話だと、夜が明けて16日の昼になっても、まだ空きがかなりあったようです(17日夕方の時点では「予約一旦満了」の文字が)。

 これまで「一日も早く接種したい!」と思ったことは一度もないのに。常に世間の流行から一歩も二歩も遅れているタイプなのに。まわりがひととおり接種してから「自分もそろそろ」って感じで打ちに行くんだろうなと、漠然とイメージしていたのに。そんな自分が対象が広がった初日という晴れがましい日に、ノコノコ行っていいんでしょうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン