コロナ禍による制作側の意識変化

 コロナ禍の影響で、俳優、スタジオ、ロケ地などの確保がシビアになり、また昨春のように「いつ撮影休止に追い込まれるかわからない」というリスク回避の観点から、「早めに押さえておこう」「早めに撮っていこう」という発想が生まれていることも間違いありません。

 早く撮りはじめれば、早く放送しはじめられるのは当然であり、実際すでに来年1月期の菅田将暉さん主演作『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)を「ほぼ撮り終えた」という月9ドラマは、その傾向が顕著です。

 話を今夏の月9ドラマ『ナイト・ドクター』に戻すと、本来7月2~3週にスタートするところを6月21日に第1話が放送されたのですから、通常より2~4週間程度早い“月またぎの超フライングスタート”だったことがわかるでしょう。

 このペースで進めると、東京オリンピック開幕までに5話まで放送することができますが、「それまでにどれくらい支持を集められるのか」「2~3週遅れでスタートする他作品との差が出るのか」など、異例の放送日程だからこそ、今後もさまざまな焦点が生まれていくはずです。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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