ライフ

京の“古と新”の風が吹き抜ける角打ち 店主が腕を振るうつまみが自慢

 二条城が聳(そび)える京都市中京区の西側、京都市営地下鉄東西線・西大路御池駅から北へ、通りを挟んだ静かな住宅街に向かってすぐに、『高木与三右衛門商店』の看板が見えてくる。

 ガラス扉が開け放たれ、涼やかな京の風が通り抜ける店の奥では、一見強面だが笑うとチャーミングな3代目店主の高木雄司さん(56歳)が迎えてくれる。

「熱々のビフカツ、これが肉厚で最高のご馳走やね。あっというまに食べてもうた。店主はいっつも厨房で一生懸命揚げもんしてはって、穴子や野菜の天ぷらも食べ応えありますよ」(20代、製造業)

「刺身が新鮮で安い。毎日変わるから飽きないね。今日のきずし(しめ鯖)も旨い」(50代)

 と称賛される数々のつまみが、入り口近くのショーケースに所狭しと並んでいる。

「この穴子の天ぷらでっかいやん? ユージ(店主)は、ほんまいつもお客さんが驚くようなもん出してますよ。高校の仲間たちも、しょっちゅう集まってます」とは、週一で店を手伝ってるという店主の同級生の談。

「客の期待を超えたい」と熱い店主の手料理をつまみに常連客が皆笑顔だ

「客の期待を超えたい」と熱い店主の手料理をつまみに常連客が皆笑顔だ

「角打ちなのにここまでやるかっていう意外性が私の信条なんです。いつもお客さんの期待を超えたいって思ってるんですよ」と熱っぽく語る店主が、先代の亡き父から受け継ぎ、実家の酒屋で角打ちを始めたのは6年前のこと。

「実家を出て長年飲食店で働いていたんですが、2代目にあたる親父が病気で倒れて。かけつけた病院で顔を見たときに腹を決めて『俺が継ぐ!』って宣言しました。

 親父は、お前に何ができるんかって笑ってましたけど、ご先祖様に呼び戻された気ぃしてね。初代のじいさん、与三右衛門を店の名に冠しました。

 昔の仲間たちが集まれる場所になったらいいなって思って、育ったこの場所で角打ちをやりたかったんですよ。

 お陰様で、いまでは地元の交流の場になってます。コミュニティーがここから広がっているのが嬉しいですよね」(店主)

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト