芸能

俳優・村上弘明 ドストエフスキーやトルストイを読み北の大地を想う

広大な自然の恵みで育まれるものには、何か大きなエネルギーを感じるという

広大な自然の恵みで育まれるものには、何か大きなエネルギーを感じるという

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏による、週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、俳優・村上弘明が、柳生十兵衛を演じるにあたってこだわったこと、コロナ禍を過ごした感じたことについて語った言葉を紹介する。

 * * *
 村上は二〇〇五年から〇七年まで『柳生十兵衛七番勝負』(NHK)で三シリーズにわたり柳生十兵衛を演じている。九三年の十二時間時代劇『徳川武芸帳 柳生三代の剣』(テレビ東京)以来、二度目の十兵衛役だった。

「『柳生三代』は、撮影所とのお付き合いの面が大きかったですね。『腕におぼえあり』(一九九二年、NHK)を一年やった後で、僕の中でまだそのイメージが強く残っている中での十兵衛だったんです。

『腕におぼえあり』は地毛でやっていたので、十兵衛も地毛でと思ったのですが、それだと『腕におぼえあり』と同じになってしまう。それで総髪の鬘でやったのですが、どうも慣れなくて、自分の中では何か一つ消化し切れない部分が残ったんですね。

 また十兵衛をやることになったので、今度は自分からも意見を出し、十兵衛のキャラクターを創り上げていきました。

 特に意識したのは立ち回りです。東映や松竹だと現場に行って初めて殺陣師の人に手を教わり、その場で覚えます。それ、けっこう大変なんですよね。

 でもNHKの場合は殺陣の稽古を設けてくれます。この時の殺陣は自分でもアイデアを出しながら練り上げました。立ち回りが決まると、不思議なことにお芝居の雰囲気も決まっていくんです。

 立ち回りを『ただのチャンバラじゃないか』と言う人もいます。でも、ただのチャンバラにしてはいけないんです。このキャラクターだったらどうするのか、試行錯誤しながら一つ一つの動きに意味を持たせて作り上げていく。

 所作も含めて、今までの作品のいいところを取り入れた。そういう意味で、これまでの集大成と言える作品かもしれません」

 近年はなかなか満足いくものに出会えていない──今回のインタビューで、村上はそう振り返っている。

関連記事

トピックス

大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
焼酎とウイスキーはロックかストレートのみで飲むスタイル
《松本の不動産王として悠々自適》「銃弾5発を浴びて生還」テコンドー協会“最強のボス”金原昇氏が語る壮絶半生と知られざる教育者の素顔
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」