(宮内庁提供)

国民の気持ちに寄り添われる両陛下(宮内庁提供)

 国民の多くが反対する東京五輪・パラリンピックの名誉総裁と、国民とともにある陛下という、非常に難しい両立を、絶妙な舵取りで成し遂げられたのだろう。

「雅子さまも陛下のお考えに同調されているはずです。つまり、雅子さまのワクチン接種を非公表にされることで、五輪にノーを突きつけたといっていいでしょう。もしこのタイミングで公表をすれば、どうしても五輪とひもづいてしまいます。それが政府や五輪組織委員会の狙いでもあります。しかし、感染拡大防止という根源的な意味から離れてワクチン接種が語られることは、雅子さまの本意ではないのでしょう」(前出・別の皇室ジャーナリスト)

 陛下はお立場上、無観客という意味でも、民意からかけ離れたという意味でも「国民不在」の五輪において、開会宣言をせざるを得ないかもしれない。しかし、陛下と雅子さまは、さまざまな方法で「気持ちは国民とともにある」ということをお示しになっているのだろう。

 14日には、陛下がおひとりで開会式に出席され、雅子さまの出席は見送られる方向で検討されていると報じられた。

「最低限のかかわり合いに留める、ということです。日本の国民感覚と乖離した“五輪貴族”といわれる各国のVIPは、両陛下との面会を要求してくることが考えられます。個別の接遇のみならず、天皇皇后両陛下が主催の歓迎行事も開かれる可能性がある。

 常識的に考えれば中止なのですが、直前になっても“検討中”であるのは、ひとえに日本政府が開催したいからでしょう。菅官邸にとってみれば国威発揚、外交力のアピールの場ですからね。そのような状況は両陛下の本意ではない。それを表明するためのワクチン接種の非公表だと思っています」

 緊急事態宣言によって、幾多のがまんを国民が強いられているなかで、“五輪貴族”のために絢爛豪華なパーティーをひらくなんて御免だ、という両陛下の意思表示でもあろう。五輪のメダルの色よりも、沈黙こそが、国民と皇室をつなぐ“金”糸なのだ。

※女性セブン2021年7月29日・8月5日号

2019年6月 宜仁親王五年式年祭墓所祭(撮影/小倉雄一郎)

五輪開会式へのご出席はどうなるか。写真は2019年6月、宜仁親王五年式年祭墓所祭にて(撮影/小倉雄一郎)

2020年の一般参賀の天皇皇后両陛下(写真/アフロ)

「無観客五輪」に沈黙の両陛下。写真は2020年の一般参賀の天皇皇后両陛下(写真/アフロ)

雅子さまのお誕生日には両陛下で談笑される姿が公開された(2020年12月、東京・港区)

雅子さまのお誕生日には両陛下で談笑される姿が公開された(2020年12月、東京・港区)

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