芸能

毒蝮三太夫が語る“ババアいじり”秘話 「永六輔さんから学んだ」

毒蝮三太夫は永六輔さんのラジオ番組・中継コーナーを担当していた(イメージ)

毒蝮三太夫は永六輔さんのラジオ番組で中継コーナーを担当(イメージ)

 今から95年前、1926年12月25日に「昭和」は幕を開けた。そこから1934年(昭和9年)までの間に生まれた世代が、「昭和ヒトケタ」と呼ばれる。戦争の記憶をはっきり残し、成人してからは焼け野原からの復興と高度成長期のニッポンを牽引した。すでに鬼籍に入った人も少なくないが、自らの力で前を向き、上を向いて生きていこうとした彼らは、後の世代にどんな教えを残したのか──。(文中一部敬称略)

 日本のテレビ草創期から数々の番組の作・構成を手がけ、作詞家としても数多のヒット曲を生んだ永六輔(2016年没、享年83)は昭和8年、東京・浅草の寺院に生まれた生粋の江戸っ子である。

「面白がる天才で、“横道を行こう”ってよく言っていた。表通りはみんな知ってるから、路地を歩こう。ちょっと横道にずれるだけでずっと面白くなるからってね」

 そう語るのは、『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』(TBSラジオ・1970~1975年)で中継コーナーを担当していた毒蝮三太夫である。

「俺が『よくもまぁ、こんなにきったねぇババアが集まったなぁ』ってやるだろう? あれも永さんに煽られたんだよ。自分ではうまくいったつもりでも、永さんは、『感動は伝わったけど、詳細はわからない』って言いやがる。つまらなかったら中継の途中でも『それじゃまた後で』って曲をかける。悔しいねえ。だから俺は店の10メートルくらい手前からわざと下駄の音を響かせながら歩いてね、その街の様子を細かく説明しながら店に入る。そこで第一声が『きったねぇババアばっかりだな』(笑い)。どうすれば面白く伝わるのかを永さんに学んだ」(毒蝮)

 永の代表作である『上を向いて歩こう』は安保闘争に敗れた若者を励ます歌であり、『見上げてごらん夜の星を』は夜間学校に通う高校生への応援歌として作られた。永の孫・永拓実は著書『大遺言』の中で、永自身が疎開先でひどいいじめを受けていたことが作詞の原動力となったのではないかと書いている。

 長きにわたり永のラジオでアシスタントを務めたはぶ三太郎は語る。

「永さんはいつでも弱い人たちの味方なんですよね。権力が大嫌いで、理不尽なことに対して絶対引かない。守るべきものを守る人だった。二歩も三歩も先を行っていたけれど、古いものを大事にしていました。だから新しいものを生み出すことができたんだと思います」

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン