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「あなたの1票の価値」は205万円也 それでも選挙に行かないですか?

来たる衆議院議員選挙を前に知っておきたい「1票の価値」(時事通信フォト)

来たる衆議院議員選挙の「1票の価値」は何円?(時事通信フォト)

 場当たり的な新型コロナ対策を続け、オリンピックの開催は強行するのに国民には我慢を強いる政府に対し、国民の不満が高まっている。とくにネット世論を見ると、7月中旬にTwitterで「自公以外」というキーワードがトレンド入りして自民党と公明党以外への投票を促す声が広がるなど、政権に厳しい批判が集まっている。一方で、若い人たちを中心とするネット世論が「反・自公」で盛り上がっても、選挙で投票に行かない人が多く低投票率のままならば、結局のところ“政治は何も変わらない”のも現実だ。10月末までには、衆議院議員選挙が確実にやってくる。大切な1票、必ず投票しましょう——こんな呼びかけを聞くことは多いが、実際に私たちの1票にはどれくらいの価値があるのかを把握することが、実際の投票行動につながるのではないか。それを知るために、1票をお金に換算する方法を模索してみた。

 よく使われるのが国の予算から算出する方法だ。具体的には、国の予算に国会議員の任期を掛けて有権者数で割る計算法で、「予算×任期÷有権者数」という数式で表される。この数式に2021年度予算案の一般会計額106兆6097億円、衆議院議員の任期4年、総務省発表の令和2年9月1日時点の選挙人名簿登録者(有権者)1億571万4691人を当てはめると、1票あたりの価値はおよそ400万円になる。

 国の予算を有権者数で割るのはやや大雑把な計算法だが、より現実の選挙に即したやり方がある。滋賀県立大学環境科学部の村上一真准教授(行動経済学)は、「選挙で選ばれた国会議員が責任を持つべき予算額」に着目して新たな計算法を編み出した。

「納税者でもある有権者が候補者を選別し、自分たちが望む税金の使い方を委託するのが国政選挙の原則です。そこで、有権者に選ばれた国会議員が責任を持つべき年間の予算額を算出して、その額をもとに1票の価値を導きました」(村上准教授・以下同)

 村上准教授が開発した計算方法は以下の通り。まず国の一般会計(2021年度予算案)から、国会議員が簡単にコントロールできない国債費23兆7588億円をのぞいた82兆8509億円を算出し、これを衆参両院の国会議員710人で割った約1166億円を「国会議員1人当たりの年間責任予算額」とする。ひとりの国会議員は国民生活を豊かにするために、年間約1166億円分の予算の執行に責任を持つというわけだ。

 続いて、ベースとなるこの額に次期衆院選で選出される465人と任期の4年を掛け、有権者数で割ると(1166億円×465人×4年÷1億571万4691人)、有権者ひとりあたりの投票の価値が導き出される。その額はおよそ205万円である。

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