鈴木誠也はアメリカ線で反撃の狼煙となる本塁打を放った(代表撮影JMPA・藤岡雅樹)

鈴木誠也はアメリカ戦で反撃の狼煙となる本塁打を放った(代表撮影JMPA・藤岡雅樹)

 予選リーグで無安打の4番・鈴木誠也(広島)が準々決勝でホームランを放ったように打者の調子は水もので、不調が一転して爆発に変わることもある。采配に正解はない。

「初戦のドミニカ戦では7回のチャンスでの選手の出し惜しみを指摘されましたが、アメリカ戦ではその反省を生かしていた。8回に捕手の梅野隆太郎(阪神)に近藤健介(日本ハム)を代打として送り、9回にはサヨナラのランナーになる浅村栄斗(楽天)に代走の源田壮亮(西武)を迷いなく起用した。延長10回も最後の野手である栗原陵矢(ソフトバンク)を“ピンチバンター”として起用し、見事サヨナラ勝ちにつなげた。

 控え野手が4人しかいない五輪で、適材適所に先手を打っていた。就任当初から指摘されていますが、監督経験のない人に東京五輪という大舞台を任せること自体がかなり酷。そんな経験不足やプレッシャーのなかで、よくやっていると言えます」

 金メダルはもう手に届くところまで来ている。稲葉監督は宙に舞えるか。

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