教育関係者などが対象の東京都行幸地下ワクチン接種センターを視察する小池百合子東京都知事(左、時事通信フォト)

教育関係者などが対象の東京都行幸地下ワクチン接種センターを視察する小池百合子東京都知事(左、時事通信フォト)

「お年寄りからも言われるんです。まだ打ってないの?って、あの人たちは優先的に打ってますからね、若い人は近寄ってほしくないとか平気で言う人もいます。ワクチン打ったからってマスクしない人も」

 ワクチン2回打ったからと調子に乗っている一部の年金者が街を跋扈している。実際、日本国内の65歳以上の接種は7月19日の時点で80.2%(7月15日報告分・厚生労働省)、2回目のワクチンすら54%接種済と半分以上が終えている。8月時点ではさらに接種済みとなっているだろう。それにかこつけて若者を差別する不届きな老人もいる。年金世代は言いたい放題、現役世代は耐え忍ぶばかり。これが分断の手口とわかってはいても、本音のところ割り切れるものではない。

「これからずっとワクチンも打ってもらえずにワクチン打て、打たない若者が悪いって言われ続けるんですかね。これじゃみんな勝手にするってなりますよ」

ワクチン打った方が死んじゃうかもしれない

 若者の大半は死なないことをわかっている。とくに10代20代は現実問題としてコロナによる死に直面することは少ないだろう。どうせワクチンは打ってもらえないのに打てと言われ、それどころか打たない若者が悪いと言われる。以前の拙筆『五輪の盛り上がりそのままに、若者は「死なないならいいか」で夏休みを満喫するだろう』でも書いたが、この夏の爆発的な人流は彼ら彼女らの若き声なき声による反乱である。

「ワクチンなんて打たなくても大丈夫でしょ、俺たちコロナで死なないし」

 これそのもの、これに近いことを言う10代20代は多かった。ワクチンを打っていないどころか予約の案内も来ていないという自治体の若者もいた。

「どうせワクチン打ってもらえないからいいけど、打ったほうが死んじゃうかもしれないじゃないですか」

 原宿、マスク姿のおしゃれな少女の意見。若者の場合はコロナで死ぬより副作用で死ぬ可能性が高いという説もある。確実なエビデンスはないが、現実問題として10代20代の若者はコロナで死んでいない。中日ドラゴンズの苦労人、筆者も大好きだった不屈のピッチャー木下雄介投手が1回目のワクチン接種から8日後の練習中に息苦しさを訴えて緊急入院、3日に亡くなったと報じられた。木下投手の場合、因果関係は不明だがワクチンの副反応で心臓障害を発症する可能性が海外で報告されている。関係を疑われても仕方がないだろう。

「学校とかネットとか、どれ信じたらいいんですか?」

 筆者も少女に問い返されてうまい答えが見つからない。おそらく国や自治体の本音もそうなのだろう。だから誤魔化すための悪人が必要になる。打ってもらえないのに打たないと言われてコロナの悪人に仕立て上げられている若者、本当にかわいそうだし国や自治体は少しでも心があるならこうした魔女狩りはいい加減やめて欲しい。

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